片川会長寄稿「 笑顔が免疫力を高めます〜 笑って過ごしていますか」
会員の皆様におかれましては、それぞれ創意工夫をされて、毎日を過ごされているものと思います。
目に見えないコロナウィルスに一旦罹患すると、今のところ自分の免疫力で打ち勝つしか乗り越える方法がないことが、人々の不安を大きくしています。
そこで知る人ぞ知る笑いの効用についてお話ししたいと思います。
例えば、同じようながん患者でも、鬱々と過ごす人よりも、笑って前向きに生きる人の方が、延命期間が長く今ではそのことが科学的に証明されています。
たくさん笑った人々の血液検査をすると、黙々としていた人々より明確に免疫細胞が増えていたという研究結果が報告されています。
昔のことですが、アメリカのジャーナリストのノーマン・カズンズ氏が医師から治療の方法はないと見放された膠原病を、生きる意志と笑いで克服してしまいました。
その闘病体験記 「笑いと治癒力」 を読んだ時、感銘を受けると同時に笑いは人間の免疫力と生命力を活性化させるにちがいないと思ったものです。
上智大学名誉教授のアルフォンス・デーケン先生は 「死の哲学」 の講義で有名ですが、笑いの大切さを説く人でもあり彼の講演は、どんなテーマであっても必ずユーモアをさしはさみました。
「私は上智大学で哲学を教えているデーケンですが、なんにもでーけんです」
と自己紹介し笑わせたかと思うと、突然ドイツの諺をドイツ語で紹介します。
“Humor ist,wenn man trotzdem lacht”
「みなさんの中にはドイツ語より日本語のほうが得意な人がいるかも知れませんので、あえて日本語に訳しますと…..」 というのでまた笑いを誘います。
「“ユーモアとは、にもかかわらず笑うことである” という意味です」
ドイツ語のこのユーモアの定義は素晴らしいと思う。
「にもかかわらず」 の意味は、私は今 (コロナで、禁足で、運動もままならずで、仕事にも行けずで) 苦しんでいます。それにもかかわらず笑うんですという意味。
笑顔にはすごい力があるということ。
今のように、家に引きこもっている時やあるいは落ち込んでいる時って、気持ちも顔も固くこわばります。けれども、顔の表情は変幻自在。
多少強引でも鏡に向かって 「ニッ」 と口角をあげてみることはできます。
すると、たったそれだけでこわばっていた顔はほぐれ、鏡の中の情けないような笑顔がなんだか可笑しくなるはずです。
題目の問いに 「笑っている」 と答えられれば幸せだということ。
そしてきっと周囲の人も幸せにしているはずです。
こんな時こそ皆んなで、笑って笑ってまた笑って、免疫力を高めコロナに打ち勝ちましょう !!!
4月吉日
片川喜代治
日本人会会長