カステックス首相記者会見(12月17日)/ 在フランス日本国大使館より
12月17日19時半より、カステックス首相が新型コロナウイルス感染症に対する新たな措置に関する記者会見を行いましたので、その概要をお知らせします。
1 感染状況
・1日あたり5万人のデルタ株の感染者が確認されており、同変異株の感染拡大はピークに達しつつある。
・ほぼすべての医療機関において緊急体制(Plan Blanc)が敷かれており、医療従事者は非常に疲弊している。
・欧州全体で、オミクロン株が急速に拡大しており、その感染者数は2~3日ごとに倍増している。仏には既に数百人のオミクロン株の感染者がいるが、すでに9万人以上の感染者が確認されている英国のように、来年頭にはオミクロン株が仏におけるコロナ患者の大半を占めるようになる。
・オミクロン株の性質についてすべてが明らかになっているわけではないが、感染力が高く、一方で重症化のリスクはデルタ株に比べて低いとされており、追加接種を含むワクチン接種完了者は、重症化するリスクが低いとされている。
2 衛生措置の強化
・年末に向けて、1人1人が接触を最大限制限し、マスクの着用、抱擁など接触の回避、こまめな換気など、衛生措置の厳格な遵守が推奨される。
・自宅、レストラン、バー、宴会場等、いかなる場所においても、また、6・8・10といった具体的な数字ではなく、集まる人数が少ない程リスクが低いということを認識し、大人数での集会を避けることが推奨される。
・ワクチン接種有無に関わらず、とりわけ年末年始のイベントの前には積極的に検査を実施することが推奨される。PCR検査、抗原検査、セルフテスト等の手法は問わない。
・屋外の人が多数集まる行事、特に12月31日夜には、県知事は、公共スペースにおける無許可の集会や飲酒を禁止するとともに、自治体に対しても公共スペースでの集会、特に花火やコンサートの開催を控えるよう呼びかける。
・新年の宴会は大勢が集まるものとは異なる方法を最大限選択するよう各人の責任感に呼びかける。
3 医療従事者への報酬
・12月20日より、病院の時間外労働の報酬を2倍に引き上げる。また、治療を継続させるべく、街の医療専門家に対しても動員を依頼している。
4 ワクチン接種/ブースター接種
・ワクチンは我々にとって最適かつ唯一の武器である。現在明らかにされている科学データによれば、2回のワクチン接種完了者は、オミクロン株による重症化リスクを70%抑えることができ、3回のブースター接種完了者は、90%まで重症化リスクを下げることができる。
・まだまだ、ワクチン接種のキャンペーンを加速させる必要がある。本日、95万回のワクチン接種が行われた。1700万人以上がブースター接種を完了している。
・ヴェラン連帯保健大臣に対し、これまでワクチン接種キャンペーンに関わってきたすべての人々(議員、医療従事者、消防士、ボランティア、学生)と協議し、この異常事態に対応するための条件を数日中に準備するよう依頼した。軍の医療職の動員も見込んでいる。
・仏および欧州の科学当局は、ブースター接種をより早い段階で実施することを推奨している。
・来年1月3日以降、2回目のワクチン接種が完了してから4カ月を経過していれば、ブースター接種を実施することができる(これまでは2回目接種から最低でも5カ月経過していなければブースター接種を実施することができなかった。)。
・現在、病院の重症患者部門のほとんどがワクチン未接種者によって占められている。従来から医療システムと距離を置いていることから接種を見送った可能性のある未接種者に対する取組も増やしていく。
5 衛生パスに関する新たな法案
・わずか数百万人のワクチン未接種者が、残りの多くの国民を脅かすことは受け入れることができない。
・来年1月初めに、現在の衛生パスをワクチン接種完了者のみが取得することができるワクチンパスに改造し、偽造パスのコントロールと罰金を強化するための新たな法案を議会に提出する。
・(同法案が成立以降は、)ワクチン接種のみが新たなパスとして有効となる。
6 結語
・より制約的な措置を避けるべく、できる限りのことをしなければならない。
・パンデミックは終わりがないように見える。しかしながら、我々はこれまでの経験から学び、大規模なワクチン接種キャンペーン、集団としての行動、1人1人の責任ある行動のおかげで、ウィルスとともに生きる上でより良い対応をできるようになった。共にこの困難を乗り越えることができる。
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
在フランス日本国大使館 領事部
電話:01-4888-6200(海外からは +33-1-4888-6200)
メール:consul@ps.mofa.go.jp
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□