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2/4 カステックス首相他による記者会見 / 在フランス日本国大使館より

2月4日夜、カステックス首相ほか関係閣僚が記者会見を行い、今後の新型コロナウイルス対策(ワクチン接種を含む)について説明を行ったところ、概要以下のとおりお知らせします。

1 感染状況
・仏では不安定な感染状況が続いており、1日平均2万件の新規感染、1,600件の入院、320人の死亡が確認されている。この数値は、依然として高いものであり、医療体制を逼迫させるものである。
・今日、蘇生病床に入る10人中6人がコロナウイルスの感染者であり、病床を確保するために緊急性のない治療は先延ばしせざるを得ない。
・直近2週間で急激な感染拡大、陽性率の上昇は見られない。これは、これまで取ってきた対策、そして、年末年始の行動も含め、各人が予防策を講じてきた結果である。
・他方、英国、南アフリカ、ブラジルの変異種の感染が懸念される。これは、潜在的なリスクではなく、現実のリスクである。1月8日の時点で陽性となったうちの3.3%であったのが、今日では14%であり、地域によってはさらに高い。
・特にマヨットでは、南アフリカの変異種の感染が拡大しており、外出制限措置を導入することが本日決定された。
・英国の変異種は、研究によるとより感染力が強く、重症化しやすい。南アフリカ、ブラジルの変異種は多くのデータが存在しない。仏では昨日、4件のブラジルの変異種が確認され、うち1人はブラジルのマナウスから乗り継ぎを経て入国した者である。

2 外出制限措置の可能性
・3回目の外出制限措置を回避するためにあらゆる対策を取ってきた。外出制限措置は、経済のみならず、健康面、社会面にも影響をもたらす。
・外出制限措置の導入は、多くの商店を閉鎖するほか、教育機関の閉鎖も考慮される。仏は、学校閉鎖は子どもへの影響が大きいことから、可能な限り学校を開校することに尽力してきた。
・これらの理由により、外出制限措置の導入は最後の手段である。現状は、昨年10月の感染状況よりも下火であり、急激に感染状況が悪化する場合には、躊躇無く責任を果たす。他方、外出制限措置を回避するためのあらゆる対策を取る。

3 1月31日(日)から導入された規制措置概要等
(1)国境管理・海外県への渡航制限
・1月31日(日)より、やむを得ない理由を除き、EU域外からの仏への入国、仏からEU域外への出国を禁止する措置を取ったが、これは、域外に出ることで変異種の感染をすること、変異種の国内への流入を防ぐためである。
・EU域内から仏へ入国する際にも、空路、海路、陸路ともに72時間以内の陰性証明が必要である。
・2月1、2日の2日間で出国を許可されなかったのは729人であり、41人の入国が認められなかった。
・陰性証明とやむを得ない理由の証明に係る航空会社の監督責任も追及する。
・1月中旬からの規制強化により、出入国者は、1日6万5,000人から2万人に減少した。
・EU域内の移動について、先週末より6,000人の警察官を鉄道駅など国境管理に配置。2月1日(月)より、10万2,000人が取り締まりを受け、680人に陰性証明不所持により罰金が科された。
・海外県への渡航制限は、海外県での感染拡大を防止するほか、仏本土の人々が海外県で感染することを防ぐ目的もある。

(2)大型商業施設の閉鎖
・大型商業施設は、多くの人が集まり、人との距離が取れず、リスクを回避することは困難である。この措置には、2万5,000の商店に影響するが、経済的措置を講じている。

(3)夜間外出制限の取り締まり強化
・1月31日(日)より夜間外出制限の取り締まりを更に強化。先週末の取り締まりは、その前の週の週末より39%増加し、違反者は53%増加した。12月15日に夜間外出制限が導入されてから190万件の取り締まりが実施され、罰金は17万7,000件課された。

(4)商業施設の人数制限等
・顧客1人につき10平方メートルを確保することが徹底されているか、先週末から取り締まりを強化した。先週末は、その前の週末の2倍の数の施設の取り締まりを実施。次の週末も取り締まりを強化する。

(5)レストランの違法営業と再開
・レストランの違法営業に対する取り締まりも強化しており、法廷手続きとなる場合もある。
・レストランの具体的な再開時期は明示できない。文化施設の再開の方がより予見可能であると思われる。

4 ワクチン接種
・1月までに150万人のワクチン接種が終わり、本2月4日時点で160万人超がワクチンを接種した。
・今週末までに高齢者施設入所者の第1回目の接種を終える予定である。これらの人々は、3月初めまでに2回目の接種を終え、防護された状態となる。
・ワクチン接種は、その接種効果が定着することが重要であり、効果及び安全性を確保するため、ファイザー及びモデルナのワクチンは、第1回目の接種と第2回目の接種は3~4週間の間隔を空ける。より多くの人にワクチン接種を行うために、第1回目と第2回目の間隔をさらに空けている国もあるが、仏ではそれは行わない。
・昨日及び本日、ワクチン接種は、1日10万人以上に実施されている。75歳以上の高齢者、重い基礎疾患のある者、医療従事者に対するワクチン接種を加速化すべく、医療機関、関係団体など全関係機関を動員していく。
・これまでに200万件のワクチン接種の予約がなされているが、ワクチン輸送の遅れから、予約の延期が生じている。
・ワクチン接種キャンペーンの進捗は、ワクチンの輸送状況に左右されるため、仏は、EUと協働してワクチンの調達及び仏国内での製造に努める。
・75歳以上の高齢者でまだワクチン接種の予約を取っていない場合は、家族等が支援して欲しい。予約への懸念を払拭するため、追加的に170万件の第1回目接種の予約を開始する。うち、明日から、2月中の50万件の予約を開始し、3月中の120万件の予約は来週半ばより開始される。ワクチン輸送の日付が決まり次第、3月分として新たに50万件の予約が開始される。
・4月までに75歳以上と75歳以下で重い基礎疾患のある人のワクチン接種を終える目標である。5月までに65歳以上のワクチン接種を行い、夏が終わる前には全ての大人への接種を行うことが目標である。65歳以上で重症化が懸念される基礎疾患のある人は直ちにワクチン接種をして欲しい。
・昨3日、仏ではアストラゼネカのワクチンが承認された。これによって、2月中に400万人のワクチン接種が可能となる。アストラゼネカのワクチンは、まず、年齢を問わず医療従事者に接種される。次に、50~65歳の基礎疾患のある人、そして、その他の50~65歳の人である。医療従事者のうち、まず、最前線でコロナウイルスの治療をしている医療従事者、2月末からは町で開業する医者、薬局勤務者、看護師への接種が開始される。
・アストラゼネカのワクチンは、今週末から納入され、各地に輸送され、土曜から接種を開始する。このワクチンは保管が容易である。

5 検査・支援体制
・仏は、検査に処方箋が必要ではなく、自由にアクセス可能にしているため、検査をより多く実施している国であり、1秒に4件の検査が実施されている。
・昨年9月より、抗原検査を導入することで、検査結果がより迅速に判明するようになり、現在では、92%の検査結果が24時間以内に判明する。
・教育機関での検査も強化している。現在、より不快ではない唾液採取による検査に係る高等保健機構の意見を待っており、バカンス終了後に学校で展開することを検討している。
・感染経路の調査、特定については今後も体制、教育を強化していく。TousAntiCovidのアプリも有効である。
・1月10日より、陽性の疑いで隔離となった者は、検査結果を待つ48時間以内に保健当局のサイトを通じて職務停止証明書を提出することが可能となり、すでに3万人が利用した。うち、1万人から陽性の申告があった。
・1月20日からは、看護師の訪問も開始し、症状を尋ねるほか、必要な場合は検査も可能であり、すでに1万7,000件の利用があった。
・一人暮らしの場合は、1,500人配置されている社会支援担当者に食事の提供、子の監護を依頼できるほか、必要な行政手続きの支援も受けられる。

6 テレワークの強化
・11月初旬以降、テレワークは可能な職場では導入されなければならない規則となっている。
・週5日のテレワーク導入を慫慂しているが、11月末よりテレワークの比率が減少している。(労働人口の3分の1はテレワークが可能であり)最近の調査結果では、11月初旬は一部テレワークを実施可能な者のうち70%がテレワークを実施していたが、1月中旬には64%となっている。11月初旬には100%テレワークが可能な者のうち45%がテレワークを実施していたが、1月中旬には30%となっている。
・研究結果によると、部分的にテレワークを行うことで感染リスクを20%下げることができ、完全にテレワークを行えば30%下げることができる。
・企業に対し、まず、テレワークを全く行わない者の比率を下げることを慫慂する。我々の目標は、250万人の被雇用者がテレワークを行うことである。
・次に、週1、2、3日のテレワークを行っている者は、最低あと1日テレワークを行うよう慫慂する。
・今日、100%テレワークを行っている者は、週に1日出勤が可能な規則となっている。孤立を防ぎ、社会的繋がりを維持することは重要である。
・教育、映像、情報通信、銀行、保険、不動産、法務のセクターではテレワークの比率が下がっている。
・各企業のトップは、被雇用者とテレワークに関する協議の場を設けて欲しい。

7 ワクチン供給
・EUは26億回分のワクチンを注文している。EUでは、欧州医薬品庁が治験結果を審査しワクチンを承認している。
・初めに承認された3つのワクチン(ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ)の他、現在、ヤンセンやノヴァヴァックスの審査を行っており、数週間後の承認を期待している。
・自律的な供給を目指すため、欧州内でのワクチンの製造も実施しており、仏国内に供給されるワクチンの大部分は欧州製である。
・欧州とフランスは製薬会社と協働して、製造体制の強化、製造拠点の増加を行い、製造工場へのヒアリングも強化し、直面する困難を解決する。EU域外へ輸出されるワクチンの管理を強化し、契約が順守されているか厳格に管理する。
・ワクチン製造に関し、仏では、3月からモデルナ、4月からビオンテック、承認が下りれば5月からキュアバック、6月からサノフィの製造が開始される。1月に発表された、サノフィがビオンテックのワクチンを製造することは、仏による協力・貢献の一例である。

8 学校の冬季休暇
・来週から始まる学校の冬季休暇は、地域間の移動制限は設けない。他方、スキー場は2月も閉鎖する。
・夜間外出制限の取り締まりを強化しており、渋滞が発生する等の問題もあるが、冬季休暇中については、18時までに目的地に到着することを心掛けて欲しい。

【問い合わせ先】
在フランス日本国大使館領事部
電話:01-4888-6200(海外からは +33-1-4888-6200)
メール:consul@ps.mofa.go.jp

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