木下 長宏講演会「岡倉覚三『茶の本』を読み解く」
天理日仏文化協会 文化講演会シリーズ
「茶の本」 : 著者の岡倉覚三は、岡倉天心という名でよく知られる美術評論家である。西洋化が進
み日本の伝統文化がなおざりにされていた明治時代に、改めて日本の文化を見つめなおそうと奔
走した人物だ。岡倉は世界に向けて日本やアジアの伝統文化の価値を広めるために、英語で
『THE BOOK OF TEA』を著した。それを日本語に訳したのが本書である。
東洋の伝統的飲料である「茶」を欧米に紹介しようと、米国ボストン美術館の中国日本美術部の
責任者だった岡倉覚三が、1906 年(明治 39 年)、ニューヨークの出版社から刊行した。茶の思想
が、道教、禅を背景にし、華道とも深く関わっていること、日本人の美意識や文化が茶を飲むとい
う行為に凝縮していること。さらに、茶を飲むという日常的な行為の中に「芸術」の本質が隠れてい
ること。その意味で「茶」は、東西の境界を超えた普遍的な「人間の営み」であることを説いている。
(本書は、一般に信じられているように、茶道を紹介している本ではなく、また、茶道の紹介にとど
まっていないところに本書の意義がある。)
講師 :木下長宏 (美術史学者。元横浜国立大学教授。私塾「土曜の午後のABC」を主宰)
ゲストスピーカー : 笈田ヨシ(俳優)
日時 : 6 月 18 日(火) 午後 7 時から (講演は日本語のみ)
会場 : 天理日仏文化協会
8-12 rue Bertin Poirée 75001 Paris Tel : 01 44 76 06 06 M° Châtelet / Pont-Neuf
席に限りがありますので、事前に必ず予約してください。
以下のアドレスへメールでお送りください。resa@tenri-paris.com