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【寄稿】パリから東京成田へ子連れ上陸作戦

パリ在勤の日本人の方が、6月下旬に日本にお子さん連れで一時帰国された体験記です。近々日本にご帰国、夏休みに家族でご帰国を考えていらっしゃる方などに参考になれば、ということでご寄稿いただきました。本稿は広報の判断で匿名での掲載としております。(日本人会広報)

「パリから東京成田へ子連れ上陸作戦」

夏休み帰省のため、子連れで帰国した体験メモを記します。(帰国2020年6月下旬)

■出発空港(パリCDG空港)パリ13:35発・エールフランス・成田空港行
・空港までTAXI G7のワゴン車で移動、運転席が透明なパーティションで仕切られていました。
・空港は全般に空いており、待つ列もない手荷物カウンターへ。係員の方がパスポート・搭乗券に触れられないとのことで、乗客の我々が荷物の上で開いて示しました。
・お店は一部ブランド品・化粧品のお店は開いているものの、多くのお土産品・カフェ等は閉店。子供用のペットボトル水を自動販売機で買いました。
・一方で、キッズ向けのレトロゲームコーナーが開いており、懐かしのゲーム(パックマン・ドンキーコング等)を待ち時間楽しみ、その後、手洗い入念+消毒ジェルしっかりと行って搭乗しました。

■機内:
・飛行機:エコノミー席予約時は5名位埋まっていましたが、搭乗してみると、通路側が前後ずらっと、みな身体の大きな団体さんに挟まれ(あとからニューカレドニアへの乗換え組と判明)、一方で後方エリアがかなり空いていたので移動をお願いし、結果一人一列・前後も空席でした。
・CAの方曰く、「サービスの回数を制限するよう要請があることもあり、お子さんもいらっしゃいますし、事前にこれお渡ししておきますね、」と水のペットボトル(1.5l)をいただいだいたこと、とても助かりました。一方で食事後のお茶・コーヒーの提供が、そういえばなかったです。
・機内でもマスク必須と聞いており、市役所でもらった布の白いマスクをしていたら、家族分のサージカルマスク(青色使い捨てマスク)の提供がありました。
・成田空港着陸後、まず座ったまま待つ=荷物をとるのに立たないようアナウンスあり、また、降りる際は距離を保つこと、他国へ乗り継ぎ(上海とニューカレドニア行き)の方が先に降りる旨、指示がありました。しばし(15分位)待った後に、飛行機から退出しました(朝8:45位)。

■検疫、PCR検査へ:降機→書類記入・待機→書類検査→PCR検査(約1時間半)
・係員誘導のもとで、同じ飛行機から降りた人まとめて書類記載のための待機場へ。パイプ椅子が50個位(10×5列位)並べられた場所で、渡された書類記入をしながら検査を待ちました。
この間、たぶん1.5時間位、眠さが襲う時間帯で子供がしんどそうでした。(飛行機酔いもあり)
・記載書類は、連絡先・症状の記入、LINE連絡同意・自主隔離要請への同意署名、位だったように思います。
・書類点検のデスクがあり、そこで、普段外国在住であること、 検査結果を空港で待たず、レンタカーで帰る予定であること、等を確認。
オレンジ色の紙に「レンタカー帰り」の旨のスタンプを押したものと、PCR検査用の試験管が次の検査担当の方へ渡されました。
・PCR検査自身は短く、長い綿棒のようなものを鼻の奥に5秒間入れて試験管に入れて終了。(正直、ちょっとだけ痛く苦しかったです、、子供は泣いてました)
(なお、空港でPCR検査結果を受け取ることを希望すると、この段階から、約6時間の待機のため別室に入るのだろうと想像します。)

■入国手続→荷物取得→レンタカー(約1時間)
・入国手続きカウンターが2つだけ開いており、通常の手続きで、パスポートに入国印を受領。
・この時、後方にフランス人風のお父さんのいる家族をみてちょっと驚きました。外国人は基本的に日本へ入れない、と思っていたためです。後で調べましたが、「特別の事情」に該当する場合があるそうです。
・荷物は全てターンテーブルから降ろされており、すぐ見つけてピックアップ。
・それ以降しばらく、「レンタカーの方こちらで~す」との声をかけてきた入国管理係員の案内のもと空港内を移動、レンタカーのカウンターへ。
・ここで、自分はレンタルWifiを受領するため成田空港郵便局に行く必要がある旨を告げると、その係員の方が、4階の郵便局まで案内してくれました。また子供のトイレ中も待機いただくこととなりました。
・途中でみた成田空港のロビー内はほぼ無人、外も普段いるバスやタクシーは皆無、ハイヤーを1台見たのみでした。
・レンタカー送迎用の20番バス停で我々が乗り込むまで係員の方が同行。お礼を言ってお別れしました。
・レンタカー会社で手続き、途中「検査待ちの方ですね」と言われ、示された注意書きの一つに「もし陽性の結果が届いた場合には、至急ご連絡ください」とあり、検査待ち状態でも乗れると確認。 (レンタカー会社によっては、「陰性の結果が出ていない方にはお貸しできません」と明記あり。)
・11:10頃(飛行機退出から約2時間半後)、レンタカーで滞在先の都内へ向けて出発しました。

■レンタカーで滞在先まで
・最後の難関、レンタカー運転。運転を控えているため、機内でアルコールを控えめに、また映画も少な目にして睡眠を多めにとりましたが、東京朝11時=パリ朝4時からの運転は気合が必要です。
・ビタミンドリンクを飲みつつ、途中は子供に「あのお菓子ちょうだい」と子供がフランスの学校の景品だった超甘いグミを目覚ましにもらって味わいつつ、比較的空いていた高速道約2時間の運転を終えました。
(・ガソリン代+高速代もかかるため、ハイヤーを頼むことを費用面含めて検討しておけばよかった、と後から思いました。)
・到着後、相当眠くて荷物を降ろした後にすぐ昼寝し、その日20時まで借りていたレンタカー返却に近くの駅まで約3km運転して返却。公共交通機関の利用が禁じられている段階のため、走って帰りました。(これが自主隔離2週前、最後の外出に)

・夜にLINEで厚生労働省フォローアップ窓口と「友だち」に。アンケートに答えた後、PCR検査結果を待ちました。 検疫係員の方から、陽性の場合、優先的に連絡があるとお話があったため、1日半経過しても音沙汰ない時点で、家族全員が陰性なのだろうと信じました。(なお、このLINEアンケート、その後毎日、帰国者「自ら」「毎日」回答すべきものであることに、4日目に気づきました。帰国したら毎日回答しましょう。)

■結果通知(3日経過後)
・到着して2日目夕方、成田空港検疫所からメールで、結果通知のために、氏名と氏名ローマ字表記を返信してほしい旨、通知ありました。子供の分と併せて返信。
・翌日午後、メールあり、「陰性」との通知。家族も全員陰性で素直に喜びました。
・自主隔離要請期間があと10日、「不要不急の外出」を避け、しばらくテレワーク+家こもりの日々を続けます。

■厚労省のコロナ関連ページより、空港検疫のデータ
・空港で累計約75,000人検査して約300人陽性 (0.4%) 、すなわち最近だとだいたい毎日だいたい1000名検査して4名陽性という感じのようです。
・自分の到着日は、陽性者7名。出発地内訳は、パキスタン2、インド2、ブラジル・アフガニスタン・アメリカ合衆国各1。
・すなわち、私の乗った飛行機からは陽性者ゼロであったことが確認できました。

・さらに厚労省「更新情報一覧」から「空港検疫」陽性者情報をGWまで遡って約2ヶ月分目視で閲覧した限りでは、5月・6月フランスから来訪者の陽性者はゼロでした。

■所感
・厚生労働省はじめ、この検疫プロセスに関わる方、本当に大変なお仕事だと頭が下がりました。
きめ細かく段階ごとにフォロー、かなり減便された現在であれだけの労力を要する作業、人員の確保だけでも大変なことと推察します。この水際作戦が成功することを願います。
・結構日本帰国に慣れた我が家の子供も、今回は疲れた様子でした。
・親としては、複数の関門がある中、最後のレンタカー運転が疲れました。ハイヤー検討もする価値ありと思います。
・統計を事前に見ておくことも良いと思いました。特に、フランスからここ2ヶ月陽性者ゼロ、との事実を知っていればもう少し気楽に構えられた気もします。ただ、自分や家族が陽性の可能性は常にゼロではなく、その場合の大幅な予定変更への心構えも持っておくべきかもしれません。
・14日間の日本での自宅隔離、新鮮な環境として、楽しみつつ過ごしたいものです。

参考Web

厚労省 更新情報一覧
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics_shingata_09444.html

成田空港でのPCR検査記事(日経6/23)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60694890T20C20A6CC1000/

外国人上陸拒否:特段の事情により再入国を許可することのある具体的な事例(法務省)
http://www.moj.go.jp/content/001321919.pdf

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