第四回「笑い声は時代を超え、想像力は年を取らない。・・・」藤堂史恵(Psychologue)
笑い声は時代を超え、想像力は年を取らない。
そして、夢は永遠のものだ。
実業家、アニメーター ウォルト・ディズニー
* お笑いをこよなく愛する心理士が、このエッセイを通して、少しずつ皆様に、すでに医学的に証明されていて、沢山の情報が巷で紹介されている笑いの効果を、「笑い」を交えながらお伝えしようと思います。皆様自身が努めて笑い、そして周りの方とも一緒に笑い、皆で笑いの輪を広げて、少しでも充実したフランス生活ができるようお役にたてればと思っております。
私はアラフォーで、フランスで本格的に心理学の勉強を始めました。18,9歳の子たちと一緒に、大学一年生から、キャンパスライフを始めましたが、何しろフランス語が全然できなくて、最初のテストは、合格点の10点を取れただけて本当に嬉しかったです。Licence(学部)3年間を4年間掛けて終わらせ、大学院1年生は、2年間掛けてやっとのことで大学一年生の資格を取得。しかし、成績が優秀でなかったので、大学院2年生に上がることができませんでした。
心理士になるための夢を諦めようか、何度も考えましたが、やっぱり諦めきれず、傾聴ボランティアや、心理系の大学の資格(Diplôme Universitaire)を取得しながら、空白の2年間を埋めました。そしてとうとう、大学院2年生に入学ができ、そこで、心理の世界で働くにあたっての、師匠となる、人間としても、学術的にも尊敬できる教授に出会えたのです。彼女の元で研修することができ、大学院2年生を2年掛けて終了し、足掛け10年、とうとう心理士の資格を取得できました。おまけに、彼女の指導の元、3本の記事を彼女と共著で学術誌に発表ができたことは、本当に幸運なことでした。やりたいこと・好きなことを諦めないで、努力し続けていけば、自分が思ってもいなかったような出会いがあり、大きく成長できるのだと実感しました。
La psy qui rit お勧めお笑い芸人・番組
こんな事があったからなのか、私は一時的にのみ活躍を見せたと言われる、「一発屋芸人」の方々が、ずっと同じ芸を無骨に貫き、突き抜け、結果、何度見ても笑ってしまう領域まで到達される、そんな神々しい姿が私は大好きです。
2003年に「ゲッツ」で有名になった、黄色いスーツを着たダンディー坂野さん。彼のアメリカンジョークっぽい、控えめなダジャレの後に言う「ゲッツ!」「キャッツ!」「ケッツ(お尻)!」「ショック!」等、何度見ても、微笑ましくて、くすっと笑っちゃいます。
2007年に「あーい、とぅいまてーん!」というギャグで有名になった、「ですよ。」さん。彼は、未だに出番の前に30分は壁に向かって全力で「あーい、とぅいまてーん」のシャドウ練習をするらしく、他の芸人からも「慣れ親しんだネタでも練習を欠かさない」「まだ未完成だった!」と驚かれています。「あーい、とぅいまてーん」は深いんで・す・よ!
2008年に、「ナナナナー、ナナナナー いきなり出てきてゴッメ〜ン まことにすいまメ〜ン」「ありがとう・オリゴ糖」「フォッカッチャ・ビチャビチャ」等、ラップ風ダジャレを言いながらジャンプをすることで有名なジョイマン。ラップを披露する高木さんは、ジャンプをし過ぎて、跳躍力がどんどん伸びているそうで、彼の目標は、ジャンプ中にイオンモールの2階の人と目が合うことだそうです。高木さんが、エゴサーチをした際、膨大な数のアカウントが「ジョイマン消えた?」「ジョイマンどこ行った?」とツイートしているのを発見。彼は、我慢できず「ここにいるよ」とリツイートで答え始めてから10年。結局それが「ここにいるよ ジョイマン・高木のツイート日記」となって出版されました。「『ここにいるよ』の返信が今400件待ちの状況なので、返信は数年後になるかと思います ニジマス 」だそうです(笑)。
笑いの効果ミニ知識
Psy qui rit 4
笑うと、幸福感やモルヒネの数倍の鎮静作用で痛みを軽減する、脳内ホルモン・エンドルフィンが分泌されますよ。
————
藤堂史恵 (とうどう ふみえ)プロフィール
Psychologue
パリ第13大学にてPsychologueの資格を取得
パリ第11大学にて マインドフルネスの資格を取得