3月オンラインいきいき健康サロン「いのちと人生のものがたり〜在宅療養の考え方」
今回も多くの方に参加していただき、ありがとうございました。
簡単ですが、以下まとめと資料となります。
◼️ 佐藤 伸彦先生(ものがたり診療所所長 医師)「いのちと人生のものがたり」
・富山県 高齢化率は約30%(全国平均29%)
・日本の倍加年数(高齢化率が7%から14%になるよに要した年数)は24年と大変短い→高齢化が早い
・フランスの倍加年数は115年→高齢化ゆっくり
・2010年富山の砺波市にナラティブホーム設立。一般の住宅を使った、日本で最初の”サービス付き高齢者住宅”となった。
・命といのちは違うと考えている。漢字の「命」は生物学的なイノチ、ひらがなの「いのち」は、ものがたられる人生としてのイノチ。
漢字の命だけでなく、ひらがなのいのちも大切にする。
・人生の終わりを山水郷で迎えたい邦人をドイツから受け入れた。制度的に大変だったが、とても喜んでもらえた。
今後も海外からの受け入れや、遠隔介護の要望があればお手伝いしたい。
講演中で一部紹介された 富山テレビが制作したドキュメンタリー映画「日々うらら〜 超高齢社会のあるカタチ」
下のリンクから全部見れます↓
https://www.dropbox.com/s/53knzndjrcqtcqi/20210527%E6%97%A5%E3%80%85%E3%81%86%E3%82%89%E3%82%89%E5%AF%8C%E5%B1%B1%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93.MP4?dl=0
▶︎佐藤伸彦先生の「ものがたりの街」HPはこちら。
https://www.monogatarinomachi.jp
ものがたりの街を見学したい場合は、HPからお問合せくだされば対応するそうです。
◼️大井裕子先生(NPO法人くみサポ共同代表 医師)「市民とともに考える”私らしく生きること、死ぬこと“」
・職種に関係なく、だれもがひとりの人間として家族の死に直面し、後悔がある。
・自分のこととして死や、看取り、生き方について考えよう。
・私らしく生きるということはどういうこと?好きなこと、好きな過ごし方、大切にしていることをすること。
今まで通りに体が動かなくなった自分の状態をイメージできる時間をとってみる。
・死へのプロセスを知った上で、どうやったら好きなことをかなえていけるか、みんなで考える場をもうけている。
・私らしく生きること、死ぬことを市民と共に考えることによって、地域の底力が上がり、安心して暮らせるまちになる。
・くみサポの家。そこに行くと聞いてくれる人がいる。誰もが相談にのってもらえる
▶︎ NPO法人くみサポのHPはこちら:http://kumi-suppo.com
最後に大井裕子先生が将来やりたいとおっしゃっていた「スナックゆうこ」、ぜひ実現させていただきたいです。
サロンが終わって早速、以下のような感想を参加者の方からいただきました。
「本日は、貴重な医療活動をされている佐藤、大井両医師の体験談を伺う機会をいただき、ありがとうございました。
両医師が、社会が求める医療のあり方に真摯に対峙して下さっておられる姿勢に感謝と尊敬の気持ちを抱きます。
両医師が働いておられる地域の住民は、願っても得られそうもない幸運に恵まれたのを喜んでいることでしょう。」
私たちも今いる場所で私たちなりにできることを、ゆるりと考えていけたらいいですね。
講師の先生方、参加者の方々、ありがとうございました。
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JAPANESE KENKO SUPPORT
邦人健康サポートの会(日本語の話せる医療従事者ネットワーク)
メールアドレス:kenko-support@nihonjinkai.fr
ホームページ :https://zaifutsunihonjinkai.fr/activities/kenko-support/
フェイスブック:https://www.facebook.com/kenkosupport.fr/
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◼️佐藤伸彦先生 プロフィール
ものがたり診療所 所長
昭和33年東京生まれ
富山大学薬学部、医学部卒業
成田赤十字病院内科、麻生飯塚病院神経内科を経て、平成14年から砺波サンシャイン病院副院長その後、市立砺波総合病院地域総合診療科部長を経て、平成21年4月に医療法人社団ナラティブホームを立ち上げる。平成22年3月19日「ものがたり診療所」を砺波市に開設。地域医療と 終末期医療を核にして活動を続け、平成24年には厚生労働省在宅医療連携拠点事業所に指定された。
令和2年11月、砺波市太田に「ものがたりの街」を作り、
令和5年 8月、特定非営利活動法人「ものがたり倶楽部」を設立した。
■所属学会
日本生命倫理学会
日本医学哲学・倫理学会
日本プライマリケア連合学会
■主な著書
『家庭のような病院を-人生の最終章をあったかい空間で』
(文藝春秋、2008年)
『患者様とお医者様-必要とする人に適切な医療を』
(日本評論社、2008年)
『ナラティブホームの物語-終末期医療をささえる地域包括ケアのしかけ』
(医学書院、2015年)
ひとそれぞれに人生があります。
そして、そのものがたりは 多種多様です。
だからこそ、「病気をみる専門家」である前に、
「病気をもった人と関わる」ということを、
わたしたちは、大事にしていきたいと考えています。
ものがたり診療所 所長 佐藤 伸彦
◼️大井裕子先生 プロフィール
小金井ファミリークリニック 在宅診療部
日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック 臨床教授
広島大学医学部 客員教授
NPO法人 くみサポ 共同代表理事
緩和医療専門医/緩和ケアコンサルタント
経歴:
1992年広島大学医学部卒業後、広島大学原爆放射線医科学研究所腫瘍外科に入局
安佐市民病院、広島三菱病院で外科医として勤務ののち大学院での研究を経て
2000年から呉市安浦町国保診療所で地域医療に従事。ホスピスケアを学ぶため東京に移り
2006年~桜町病院ホスピス医長としてがん患者の終末期ケアに従事
2009年笹川記念保健協力財団の助成を受けオーストラリアの緩和ケア研修を修了
2018年4月在宅診療部を立ち上げがん患者の看取りまでの訪問診療を開始。
2023年2月より現職。
人生の最期に誰もが直面する食べられない状況においても、本人の希望に添った食べる支援やそれをサポートする家族の支援に力を入れている。
医学部、歯学部で死や看取りをテーマとする講義を担当する他、医師会、看護協会、介護事業所などの医療介護職や、一般市民向けの看取りに関する研修の講師を務める。
小金井市、急変時対応・看取り支援部会を担当し、市民向けの看取りのリーフレットを作成。
2014年より広島県廿日市(はつかいち)市で、一般市民とともに地域で最期まで安心して暮らすことについて考える「〈暮らしの中の看取り〉準備講座」を継続中。(2024年2月までに77回開催)。患者や家族とこの先の人生の過ごし方を話し合うためのツール、現状確認ツールIMADOKOを考案し、冊子「みんなで活用する現状確認ツールIMADOKO」を作成。緩和ケアや看取り、人生の最終段階の食べる支援にかかわる執筆も多数。
著書:〈暮らしの中の看取り〉準備講座 (中外医学社 2017年)
論文:終末期がん患者と家族のよりよい療養場所の意思決定支援における現状確認ツールIMADOKO活用の影響:Palliative Care Research2023; 18(2): 117-22
2019年に国際大学都市日本館にて、在仏日本人会主催「暮らしの中の看取り準備講座@Paris」にもご登壇くださいました。