【パリ日本文化会館】インクルーシブ社会講演会シリーズ「当事者研究への招待」
パリ日本文化会館では、2024年9月28日(土)14時~16時30分に熊谷晋一郎教授(東京大学先端科学技術研究センター)をオンラインで、アンヌ・リーズ ミトゥー准教授(パリ・シテ大学日本研究部門)を会場にお招きし、インクルーシブ社会に向けたユニークな日本の研究実践である「当事者研究」について講演会を実施します。
当事者研究は、北海道浦河町の精神障がいを抱えた人々が発明した研究実践で、従来は、研究対象の位置に置かれてきた障がいや病を抱えた当事者が、外部の専門家に委託するのではなく、「当事者こそが自分の苦労の専門家」と捉えて、自分の苦労の規則性や対処法を自ら研究するものです。
当事者研究は今や依存症、発達障がい、慢性疼痛など、様々な分野に広がり、既存の研究が見逃してきた新しい知見を提供するとともに、2015年には東京大学に当事者研究分野が設置されるなど、既存の学術との共同研究も進んでいます。また、最近では、企業や刑務所、大学などの組織をよりインクルーシブなものに変革する方法としても活用されはじめています。
本講演では、ユニークな日本の取り組みである当事者研究について、「自助の方法」「研究の方法」「組織変革の方法」という3つの側面から紹介します。
日時:2024年9月28日(土)14時~16時30分
会場:パリ日本文化会館 小ホール(地上階)
言語:日本語、フランス語、逐次通訳付き
登壇者:熊谷晋一郎(東京大学先端科学技術研究センター教授)、アンヌ・リーズ ミトゥー(パリ・シテ大学日本研究部門准教授)
予約(無料)は以下のページより:
https://mcjp.fr/ja/la-mcjp/actualites/tojisha-kenkyu-pratique-de-recherche-emancipatoire-ja
登壇者プロフィール:
熊谷 晋一郎
東京大学先端科学技術研究センター教授。小児科医。日本学術会議第二部会員、内閣府障害者政策委員会委員長。 新生児仮死の後遺症で、脳性マヒに。以後車いす生活となる。東京大学医学部医学科卒業後、千葉西病院小児科、埼玉医科大学小児心臓科での勤務、東京大学大学院医学系研究科博士課程での研究生活を経て、現職。専門は小児科学、当事者研究。主な著作に、「リハビリの夜」(医学書院、2009 年)、「発達障害当事者研究」(共著、医学書院、2008年)、「つながりの作法」(共著、NHK 出版、2010 年)、「みんなの当事者研究」(編著、金剛出版、2017年)、「当事者研究と専門知」(編著、金剛出版、2018 年)、「当事者研究をはじめよう」(編著、金剛出版、2019 年)、「当事者研究」(岩波書店、2020 年)、「<責任>の生成」(共著、新曜社、2020 年)など。
アンヌ・リーズ ミトゥー
パリ・シテ大学日本研究部門准教授、東アジア文明研究センター所属、日本社会における障がい者の教育と就業について研究多数。2024年秋、著書「Le cœur et le droit : le handicap dans la société japonaise」出版予定。