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(6月14日)マクロン大統領の演説 / 在フランス日本国大使館より

対象国・地域
ヨーロッパ フランス

ポイント
14日(日)夜8時から約20分間,マクロン大統領は,仏大統領府から演説を行ったところ,概要を以下のとおりお知らせします。

本文
【ポイント】
●明15日から新たな頁が開かれるとして,通常生活再開の具体的措置に言及。一方でウイルスとの闘いは終了していないとして,これまでの予防措置の継続も奨励。
●15日からマイヨット島とギアナを除く仏全土を緑ゾーンとし,イル・ド・フランス地域圏のカフェやレストランを再開。
●15日から欧州内の移動が可能。7月1日から欧州外への移動が一部可能となる。
●15日以降,海外領土を含めた仏全領土において,保育園,小学校,中学校は,通常の出席規則に基づいて,義務的なやり方で,全生徒を6月22日から受け入れるように準備を行う予定。
●6月28日に,市町村選挙第2回投票を実施。
●15日以降,新たな段階(nouvelle etape)が始まるとして,3つの柱(1.フランス及び欧州の独立・再構築,2.仏国内の団結,3.権力と責任の新たな均衡化)に言及。
●マクロン大統領は7月に,新たな道程に関する詳細な説明を行うため演説を行う予定。

【詳細】
1 通常活動の再開(具体的措置)
●明15日から,我々は最初の頁(premiere page)を開くことになる。マイヨット島とギアナを除く仏全土を緑ゾーンとし,イル・ド・フランス地域圏のカフェやレストランも再開。
●15日から欧州内で移動が可能となる。欧州外については,7月1日から(コロナ感染症が)コントロールされている(sera maitrisee)国々への移動が可能となる予定。
●15日以降,海外領土を含めた仏全領土において,保育園,小学校,中学校は,通常の出席規則に基づいて,義務的なやり方で,全生徒を6月22日から受け入れるように準備を行う予定。
●6月28日には,市町村選挙第2回投票を実施する。
●今後(desormais)老人ホームにおける訪問を許可する。
●我々は,仕事をしたり,アートを満喫したり,フランスにおいて完全に生活を再開できる(retrouver pleinement la France)。
●他方,コロナウイルスは今後も長い間存在するのであり,社会的距離をはじめ,これまでの予防措置を緩めてよいということではない。2020年の夏はこれまでの夏とは異なる。
●我々は感染症の動向を注視し,再発に備えて準備をしなければならない。したがってウイルスとの闘いは終了していない。他方,自分はコロナとの闘いにおける最初の勝利を嬉しく思う。これはひとえに各自の努力によるものである。
●3月16日に外出移動制限措置を開始した際,我々は,経済よりも人々の健康を優先した。医療従事者及び国家運営のために尽力してくれた全ての人々に感謝する。
●4月13日に5月11日から同措置を解除すると発表した際,多くの非難もあった。他方,我々は解除に向けて準備し,経済は再開された。我々は上手く乗り越えた(nous avons bien fait)。
●明15日から,我々は弱者を守りながら経済再開を加速化させなければならない。コロナ危機に直面しても,我々は我々が講じた措置によって多くの命を救うことができ,想像力を働かせしっかりと対応することができた。我々はフランス国家を,そして我々が成し遂げたことに誇りを持つべきである。
●特定の物資を特定の国に依存するといった問題もあったし,地域的社会的不平等問題も顕わになり失敗もあったが,我々はこれらを教訓として新たな段階(une nouvelle etape)を開始しなければならない。

2 新たな段階
(1)第1の柱(フランス及び欧州の独立・再構築)
●我々の生活,フランスの,そして欧州の運命を支配する(la maitrise)ことこそが今後2年間の優先事項であり,今後10年間の指針(cap)である。我々は我々の独立を改めて見つけ出さなければならない。
●世界経済が停止する中,仏政府は,失業者支援や企業への補助金,最も被害を受けたセクターへの補助等を行い,そのために5000億ユーロを動員した。これは前代未聞であり,どの国がこのようなことをしただろうか。我々は税引き上げによって歳出を賄うことはない。我々は経済モデルを他国に依存しない持続可能なより強固なものとするために生産力を増加させ,経済再構築を行わなければならない。解雇するのではなく雇用を促進し,テクノロジー,データ,工業,農業分野への投資,エコロジー及び緑の投資を行わなければならない。社会構築のためには,医療分野への投資が不可欠であり,高齢者・貧者を支援し,若者の技術支援を行わなければならない。
●この再構築計画は,欧州の枠組みの中で行われる。自分は,メルケル首相とも協力し,仏独として他の欧州諸国に「自分(je)」ではなく「私達(nous)」として行動することを要請する。これはフランスが3年前からとっているイニシアティブである。
●欧州は独立しなければならない。中国,米国,そして世界の無秩序の中で,我々はより主権ある,強い欧州を構築しなければならない。自分はそれを7月の欧州理事会から訴えるであろう。

(2)第2の柱(仏国内の団結)
●新しい段階の第2の柱が,フランス独自の団結(unite)である。フランスが独立するためには,団結が不可欠である。宗教や出身地に関係なく,人種差別や宗教的差別なく,平等の機会がフランスにおいて与えられなければならない。しかし,それは彫像を取り外し我々の歴史や過去を否定することによって成し遂げられるものではない。
●フランスの安全と自由は「秩序」によって守られており,警察はそのためにいる。我々は警察の仕事を支持し感謝しなければならない。

(3)第3の柱(権力と責任の新たな均衡化)
●新しい段階の第3の柱として,自分は権力と責任の新たな均衡化を構築することを提唱する。政府や我々の行動の在り方を根本的に変えなければならない。
●地方自治体や市民,労働団体等によって,今次危機は効果的に対応することができた。彼らにより多くの信頼を置くべきである。

3 結語
●独立と再構築計画は,欧州と国際秩序の中で考えられなければならない。我々は今後新たな道を歩んでいかなければならない。
●上院議会や国民議会,経済評議会等に優先事項を提案するよう自分は要請した。自分は,最初の行動を起こすために,この新たな道の詳細について7月に(国民に)説明する予定である。

【問い合わせ先】
在フランス日本国大使館領事部
電話:01-4888-6200(海外からは +33-1-4888-6200)
メール:consul@ps.mofa.go.jp

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