(10月29日)マクロン大統領の演説(全国的な外出制限の導入等) / 在フランス日本国大使館より
対象国・地域
大洋州 ポリネシア(仏領)
中南米 ギアナ(仏領), グアドループ(仏領), サンマルタン(仏領), マルティニーク(仏領)
ヨーロッパ アンドラ, フランス, モナコ
アフリカ レユニオン(フランス領)
ポイント
本28日(水)夜、マクロン大統領は、テレビ演説を行い、新型コロナウイルスの感染状況悪化を受けた措置の強化等を発表したところ、概要以下のとおりです。
なお、報道によれば、明29日(木)18時30分より、カステックス首相が改めて会見を行い、これらの措置について追加説明を行う予定です。
本文
1 感染状況全般に対する評価
・今日の感染状況は、2週間で感染者が倍増するなど、感染拡大が急速に進み、このまま感染拡大が続けば11月中旬には医療体制に限界が生じる。
・3月~4月との違いは、仏全土で感染が警戒水準まで拡大していることである。
・欧州でも驚くべき速さで感染が拡大している。
・高齢者、糖尿病、肥満、高血圧等の慢性疾患を持つ脆弱な人々が第一に守るべき対象者である。死亡者の85%は、70歳以上である。
・蘇生病床の35%は65歳以下であり、若い人も守られなければならない。はっきりとは判明していないが、20歳であっても、味覚・臭覚の消失、呼吸困難という症状が長期間続くことがある。
・そして、春の流行時から働く医療従事者の負担軽減が必要である。
・集団免疫の獲得という考え方もあるが、そのためには人口の50~60%が感染する必要があり、その場合はさらに40万人の死者を出すこととなる。フランスはこの集団免疫の獲得は選択しない。
・現在、1週間に190万件の検査を実施。各地の保健当局は、1日に10万件もの電話を掛けて追跡し、感染の連鎖を止めようとしている。
2 全国的な外出制限の導入
・30日(金)から最短でも12月1日まで、海外県も含め、全国的な外出制限を導入する。
・本年3月に導入した外出制限との違いは、1.学校は閉鎖されない、2.仕事には行くことができる、3.高齢者施設(EHPAD及びmaisons de retraite)の訪問は可能であること。
・本年3月に導入した外出制限と同様に、証明書を持参の上で、仕事に行くこと、医療機関にかかること、介助・介護に出向くこと、買い物及び近所での散歩は可能。
・家族以外の私的な集まり、公共の場での集会は禁止。
・万聖節(Toussain)のバカンスからの帰宅を除いて、自分の住む地域圏外への移動は不可。
・3月の外出制限と同様に、必需品を扱う商店以外は閉鎖される。多くの人を収容する施設、特にレストラン及びバーは閉鎖される。
・強化された予防措置を取りつつ、保育園、小・中・高校は児童・生徒の受け入れを続ける。
・大学等の高等教育機関は、オンラインでの授業となる。
・可能なところでは各所でテレワークが改めて標準化される。しかし、春とは異なり、活動はより勢いを以て続けられる。
・行政窓口は開かれ、工場、農業、公共事業は稼働を続ける。
・欧州域内の国境は引き続き開放。欧州域外との国境は、例外を除き、引き続き閉鎖(仏国外に居住の仏人は、帰国が可能)。
・高齢者施設の訪問は、厳格な衛生措置の下で許される。体に不自由がある人々が、必要とする柔軟性を享受できるよう望む。墓地は引き続き開かれる。
・空港等で到着時のスピード検査が義務付けられる。あらゆる渡航者は感染していないことが確定しない限り欧州域内に入国不可。
3 経済活動への影響
・閉鎖を強いられる規模の小さい企業にとって、経済的な支援が、3月の外出制限時よりも重要になるだろう。1か月につき1万ユーロまで、売上の減少を補填する。
・仕事に出ることができない被用者・雇用者は引き続き部分的失業制度の適用を受けることができる。
・今後数週間の家賃等に係る支援に加え、自営業、商店、中小企業に対する特別な措置を講じる。
・経済活動への参加を推奨し、オンラインでの注文、持ち帰りサービスの利用を勧める。商店、中小企業等のデジタル化に向けた支援を行う。
4 仏国民総動員の必要
・今回導入する外出制限は、仏国民が総動員で行わなければいけない。
・特に、70歳以上の高齢者には、耐え難いことではあるが、家族、友人との集まりを控え、家の中であっても、社会的距離を取り、親類、孫であっても、人がいる場合はマスクを着用することを求める。
・各人が責任を持ち、市民の一員であるという意識を持ち、可能な限り家に留まることが必要である。
・我々はみんな、この外出規制のフェーズを終えるための道具となるTOUSANTICOVIDアプリを大々的に利用していく必要がある。
・多くの商店が閉鎖を望まなかったことを承知しているが、15日間厳格に守ってほしい。仮に15日後に状況が改善すれば、見直しを行うことにより、特にこの重要なクリスマスの時期を控え、一部の商店を再開できるようになるかもしれない。
【問い合わせ先】
在フランス日本国大使館領事部
電話:01-4888-6200(海外からは +33-1-4888-6200)
メール:consul@ps.mofa.go.jp