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カステックス首相他による記者会見(2月25日)/ 在フランス日本国大使館より

2月25日夜、カステックス首相ほか関係閣僚が記者会見を行い、今後の新型コロナウイルス対策(ワクチン接種を含む)について説明を行ったところ、概要を以下のとおりお知らせします。

○ 冒頭
・我々がこの最も重大な危機に対し、ともに戦ってきて約1年になる。我々のゆるぎない、第一の目的は、すべての地域のすべての人をいかなる時も守ること。それは、我々の医療システムを守り、医療機関の逼迫状態を少しでも抑え、何カ月もの間従事している医療従事者を守ることも意味する。
・互いに信頼感をもって、集団的に行動しなければならない。このウィルスには共に戦い、ともに成功することが不可欠。ひとりひとりの注意喚起と責任が伴う。

1 感染状況
・ここ数日間、感染状況の悪化が見られる。昨日は、1日の感染者数が3万人を超えた。11月以来達していなかった数値。1万5千人、2万人に抑えられていたが、ウィルスは新たな脅威を見せている。フランスは、他の欧州の多くの国と同様に、感染状況が悪化している。
・ドイツ、ベルギー、オランダ、イタリア等、既にロックダウン下にある国でさえ、感染状況は悪化している。
・変異株の影響が大きく、仏の感染者のほぼ半数が英国の変異株に感染している。同変異株は感染力がより高く、昨年12月末から、フランスの感染状況を悪化させている。
・テレワーク、夜間外出禁止、ロックダウン等様々な措置により、従来の新型コロナウィルス感染者数を減少させることができたが、変異株の感染者数が加速的に増えた結果、全体の感染者数が増加している。
・入院者数および集中治療を受ける重症患者の数も増加。第2のロックダウン時の数値までは達していないが、医療機関・医療従事者にとって、日常的にこうした状況に対応することは極めて困難。
・1月20日時点では、感染状況の悪化によってあり得る措置としてロックダウンを想定していたが、先月以来我々は、マクロン大統領とともに、この新たなロックダウン措置を避けるべくあらゆる取組を行ってきた。その間、毎日ワクチンの接種は少しずつ進んでおり、商業施設は営業を継続し、休暇中でない子供たちは学校に通い続けることができた。ドイツやイギリスなどでは、子供たちは2カ月以上学校に行けていない。
・残念ながら、変異株の登場とともに、この危機との闘いはより困難なものとなり、たとえ厳格で全国的なロックダウンを一定期間行ったとしても、そうした措置を実際行っている隣国を見ても明らかであるように、感染者数をゼロにすることは不可能。
・全国的なロックダウンは、その他に取るべき措置が無くなった時に行うもの。我々の目的は、この危機が続く限りにおいて、できる限り我々の生活・経済活動・教育機関を継続させながら、1人でも多くの人々の命を守ること。この両立のため、最良の判断を行うことは容易ではないが、だからこそ、感染状況の悪化に対し、即座に全国的なロックダウンを実施することはない。

2 規制措置
・上記の理由から、ここ数日で、特に感染状況が深刻な地域のみに特別措置を行ってきた。
・モゼル県では南アフリカの変異株の感染拡大が顕著であり、週末のみのロックダウンに加え、ワクチン接種とPCR検査など強化を行った。
・マイヨットは感染状況が依然深刻なため、ロックダウンを少なくとも15日間延長する。
・レユニオンは、マイヨット同様、医療システムや人材の不足が見られる。
・最後に、ニースとダンケルクでは、ウィルスの広がりが全国平均の3~4倍と非常に拡大していることから、今週末から、週末のみのロックダウンが実施される。
・10万人あたり250人以上の感染者数、感染者数の変異株感染率が50%以上、医療機関が逼迫し、感染率の上昇が加速している20県(イル=ド=フランス地域圏のすべての県、プロヴァンス=アルプ=コートダジュール地域圏の大半、オー=ド=フランス地域圏の大半、ローヌ県、ドローム県、モゼル県、ムルト=エ=モゼル県、ウール=エ=ロワール県)に関し、来週改めて感染状況の調査を行い、状況が悪化する場合は、3月6日の週末より新たな規制措置を行う。

3 ワクチン接種
・2月末までに、400万回分のワクチンが300万人に接種される。大規模かつ、正しい対象にワクチン接種を実施している。重症化のリスクが高い高齢かつ脆弱な人々に対し接種を進めている。
・フランスよりも多くの人にワクチン接種が行われている国があるが、隣国に比べて、フランスは重症化のリスクが高い人々への接種率が最も高い。ワクチン接種を実施した平均年齢はフランスで72歳であるのに対し、ドイツでは65歳、イタリアでは55歳。フランスでは、重症化の高いリスクがある高齢者施設について、その80%がすでにワクチン接種を実施済み。過去2週間において、80歳以上の感染率は減少している。集中治療を受ける感染者の平均年齢は低下しており、ワクチン・キャンペーンの効果が出始めている証拠。
・75歳以上の国民4分の1がファイザー・ビオテック、あるいはモデルナのワクチン接種をすでに受けており、3月末までに3分の2に対して接種される。
・4月初めから65歳以上を対象としたワクチン接種が開始するとともに、5月中旬にはすべての50歳以上に1回目の接種を提供する予定。

・年齢問わず、高い病理学的リスクがある人は、医師による処方箋の提示により、ファイザー・ビオテックあるいはモデルナのワクチン接種が可能。
・併存疾病のリスクがある50~64歳、約240万人を対象に、一般医によるアストラゼネカのワクチン接種が本日開始。
・身体の不自由および特別な理由で施設に居住している人は、年齢問わずアストラゼネカのワクチン接種が可能。

4 新型コロナウィルス検査
・特に教育機関において、検査実施を簡易化。唾液式のテストを増やすことで、週に30万人の子供たちが実施でき、これまでの数値の6倍となる。
・全国的に、検査実施から結果判明までの所要時間は、引き続き短縮。
・追跡、濃厚接触者の特定は、陽性患者の判明後すぐに行われるようになった。
・隔離患者のフォローも、全国的に強化されている。

5 治療
・新型コロナウィルスに有効な新たな治療薬がまもなく使用可能となる。1つ目は、インターフェロン(Interferon)、2つ目は、モノクローナル抗体(Anticorps Monoclonaux)。重症化を効果的に抑えるとされている。

6 ワクチンの分析(アラン・フィッシャー・ワクチン戦略・方針諮問委員長)
・ファイザー・ビオテックのワクチンは、イスラエルにおいて大規模かつ迅速な接種キャンペーンが行われた、New Englancd Journal Medicineの発表によれば、90%以上の効果が確認された。短期的な調査の結果ではあるが、素晴らしいニュース。また、65歳、75歳、80歳以上の高齢者の間でも、若年層と同様のワクチンの効果が確認された。
・アストラゼネカのワクチンについて、1回目の接種と2回目の接種に12週間を要し、当初の調査では62%の効果が確認されていたが、最新の調査では82%の効果が確認された。
・フランスにおいてアストラゼネカのワクチンが過少評価されている。82%は非常に良い数字である。直近のスコットランドの調査では、ファイザー・ビオテックのワクチンを接種した70万人とアストラゼネカのワクチンを接種した40万人に関し、同様の高い効果が確認された。
・更にアストラゼネカのワクチンは高齢者層においても若年層と同様に他のワクチンと同様に効果的なようであり、この結果が確認されれば(フランスにおいても)65歳以上に推奨できることになる。
・アストラゼネカのワクチンについて、20~40歳の若年層の一部では、ワクチン接種後48時間以内の頭痛や悪寒など副作用が発生しているとの報告があるが、一時的かつ深刻なものではない。必要に応じて、医療機関の指示に従い、パラセタモール等を服用することで副作用の防止・緩和が確認されている。

7 結語
・この12カ月間、我々はあらゆる側面で極めて異常な事態を耐え、科学的、医学的、財政的、そして精神的な様々な資源を総動員してきた。このパンデミックは、その長さ、厳しさ、状況変化、また突発性により、我々を試してきた。
・春の終わりには最も脆弱な人に対するワクチン接種を完了させ、これにより新型コロナウィルスによるすべての国民に対する影響を減少させることができる。
・それまで、ともに耐えなければならない。一人ひとりが責任を持ち、ともに連帯する必要がある。我々は透明性を確保し、すべての人の命を守るという唯一の目的のために、取り組んでいく。

【問い合わせ先】
在フランス日本国大使館領事部
電話:01-4888-6200(海外からは +33-1-4888-6200)
メール:consul@ps.mofa.go.jp

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