片川会長寄稿「笑顔が免疫力を高めます」その2〜Natural Killer を活性化しよう
私たちの身体は、1日に大体1兆個の細胞が増えていると言われています。
そして、1兆個の細胞がつくられると、出来損ないが必ず5(から6)千個あるそうです。
この突然変異を起こした細胞が、癌細胞とのこと。
毎日5千個の癌細胞を身体の中に作っているということが生きている証拠なのです。
俺は作るの嫌だと言ってもどうしようもないのです。生きている以上は。
一兆円のうちの5千円と思うと大したことではありません。
その5千個の不良品をくまなく見つけ出して、一つ一つ殺している細胞があります。
その細胞の名は皆様よくご存知のNK細胞。そう、Natural Killer の略です。
命名したのは日本人で、前山形大学長の仙道富士郎先生。
このNK細胞は体内に発生するこの5千個の不良細胞を殺しまくっている殺し屋さんなのです。
私たちの健康はこの生まれながらの殺し屋さんによって守られているといえます。
免疫力とは、このように体内の不良細胞を除去することと外から侵入する病原菌やウイルスを防ぐ自己防衛機能なのです。
この免疫の主役の役割を果たしているのがリンパ球と呼ばれています。
この免疫系は多くの免疫細胞のチームワークで機能していますが、その中でもリンパ球のNK細胞は、毎日24時間休みなく身体中を巡回していて、ガン細胞やウイルス感染細胞を見つけると、チームから先行して異常細胞を攻撃して殺してしまいます。
ということは、この愛すべき殺し屋さんの細胞が失われたり、弱まったり、疲れて眠ったりされると、異常細胞の方が今がチャンスと仲間を集めて襲ってくるので、命に関わる大きな病気を引き起こされることになります。
私は専門家ではないので分かりませんが、この四六時中我々の体内をパトロールしているお巡りさんの役目の殺し屋さんが、時折り座って休んだり、あるいは眠ってしまったりするんではないかと推察するものです。
特に高齢者内の殺し屋さんは、休んだり、昼寝が必要ではないかと。
それを避けるためにはどうするか。
1.笑うことです。
楽しくゲラゲラ笑うのです。
専門家が言うには、笑うとNK細胞に付着する特殊のアミノ酸が生まれ、それがNK細胞を活性化させるとのこと。
2.腸内の健康。
腸には免疫細胞の7割が住み込んでいるとのこと。
ということは、腸内の健康が極めて大事ということです。
乳酸菌を含むヤクルトやヨーグルトといった乳製品や、ぬか漬け、古漬けを毎日摂取するのが良いということで、一時これらの製品が飛ぶように売れた時期がありました。
シイタケ、生姜、ブロッコリー、大豆などもNK細胞を活性化させることで知られています。
3.なんといっても良質な睡眠でしょう。
7-8時間は確保したいところです。
自分がゆっくり休むことで、NK細胞が休んだり眠ったりすることが防げるなら尚更です。
睡眠中は、副交感神経が働いているようで、それがNK細胞を活性化しくれるといいます。
殺し屋と呼び捨てで呼ぶことなど、とてもできない大切なこの殺し屋さんが、我々が生きている以上作り出される悪者を殺すことを1秒たりとも休まないように、殺し屋さんの環境を毎日整えてあげていれば、コロナが訪ねてきてもニコっと笑ってイチコロにするでしょう !!!
平成2年5月2日
片川喜代治
在仏日本人会会長
『笑顔が免疫力を高めます」その1〜 笑って過ごしていますか はこちらから。