都市部の水道水中の塩素の増加について
外出制限が始まった頃から、SNS 上では 「水道水の味・匂いが変わった?」 、 「手を洗うとき傷に沁みる!」 、 「肌が極度の乾燥で固くなってワニみたい!」 などといった不安の声が寄せられていましたが、SEOP (Sociétédes eaux de l’Ouest de Paris) が、パリ地域、トゥールーズ、ストラスブールなど、フランスのいくつかの都市で、塩素の投与量が実際に増加していることを公表しました。
これは、水道水中のコロナウィルスを殺菌するためではなく (コロナウイルスによる飲料水の汚染の可能性はないことが立証されています) 、封じ込め対策により多くの企業が閉鎖された結果、水が配管内により長く滞留することになり、水質の悪化を防ぐために様々な消毒方法 (塩素、オゾン、UV) を強化しているためです。塩素濃度は厳密に管理されており、飲料には全く問題がないとのことです。
手を洗うときのウイルスのより迅速な排除など、プラスの効果もありますが、匂いや味の変化、また肌が敏感なかたやアトピーなど肌の疾患をお持ちのかたには、厳しい状況が続いています。
対策としては、水を飲む前にしばらく水を流す、カラフに入れて数時間置いてから飲む(塩素の排出後の菌の繁殖を防ぐため、冷蔵庫で保管することをおすすめします)、沸騰してから最低でも5分以上加熱させたお湯を白湯にして飲む、などの方法があります。
肌の乾燥については、肌に負担の少ない弱酸性、無香料の洗浄料を使用する、タオルなどでこすりすぎない、肌がまだ濡れているうちに、クリーム、オイルなどを優しく叩くように染み込ませて保湿をする、などの対策をして乗り切ってください。
湿疹が悪化してしまってシャワーを嫌がるお子さんには、外出が規制されていることもあり、毎日シャワーを浴びさせる必要はありません。柔らかいガーゼなどを、よく沸騰させた後のぬるま湯にひたして、優しく拭いてあげてください。