第二十五回 「世の中に笑いや面白いユーモアほど、 たまらなく伝染するものはない。」/ 藤堂史恵(Psychologue)
世の中に笑いや面白いユーモアほど、
たまらなく伝染するものはない。
チャールズ・ディケンズ 小説家
* お笑いをこよなく愛する心理士が、このエッセイを通して、すでに巷で紹介されている心理的健康を保つための予防的情報を、皆様に「笑い」を交えながらお伝えしようと思います。皆様自身が心身共に健康で、皆で笑いの輪を広げて、少しでも充実したフランス生活ができるようお役にたてればと思っております。
今号は、夏休み前の特別号として、最初から、お勧めお笑い芸人・番組の方から紹介いたします。
La psy qui rit お勧めお笑い芸人・番組
The second
皆様は2025年5月17日に行われた、結成16年目以降の漫才師が戦う、第三回、THE SECOND 〜漫才トーナメント〜は鑑賞されましたでしょうか?
私は耳でラジオの様に聞き、テレビで2回見て、そして、有名な芸人さんが行っているトーナメント後の考察YouTubeを数本見て、そして必要であれば(笑)そのYouTubeにコメントを入れました。
漫才はちょっと長めの6分で、審査は鑑賞しているお客様がするスタイルです。
ツートライブ
いやー、今回140組の中で、優勝を勝ち取ったツートライブは、ダークホースもいいところでした!
一回戦の初戦を最高点で勝った段階で、イケメンつっこみの「たかのり」さんが「噓嘘嘘!」「怖いて!」と言った後、驚いて(?)感動して、一回戦で泣いていました。決勝戦最後の漫才もツートライブで終えて、おまけに優勝もして、「たかのり」さんがまたもや信じられなくてずっと「いやいやいや」と否定しながら号泣。ご本人たちも全く期待していない中、優勝を獲得されました。
京都出身の「周平魂」さんが、破格の長尺ボケ役で、広島出身の広島弁でのきっついツッコミがピッタリの「たかのり」さんのコンビですが、実は「たかのり」さんの方が、これまた、破格の天然系。彼の天然エピソードには事欠かず、それを話すときの「周平魂」さんがツッコミに回るような、二人の「人(にん)」が立っている、ウケなくても、彼らの「人(にん)」でなんか笑っちゃう凄いコンビなのです。
ザ・ぼんち
今回、結成54年のザ・ぼんち師匠がTHE SECONDトーナメントに勝ち上がり、第4試合(21時半くらい)で若手の金属バットと対戦しました。ボンチ師匠はなんと、午前中既に大阪で漫才を披露(疲労)してからのThe secondでの漫才。スゴ!!!
いまいち「おさむ」師匠(72歳)が何を言っているかわからなかったのですが、それでも、めっちゃ面白い!!!特に「気を付け・ちいちゃい前ならえ!大きい前ならえ!」「メッシ・メッシ。おかずも食べなさい!!!!」のくだりが最高でした。是非見ていただきたい!
そして第一回戦で負けてしまった後に、「まさと」師匠(73歳)が視聴者に対して、「今年も学園祭呼んでください!」と言うんですよ!
なんという70歳代!!!私も常に若い人と一緒に挑戦・向上し続ける人間でありたい!と再度思うThe secondでした。
歳を取る事で得られる心理的効果
老いも若きも、アンチエイジングに躍起になる昨今、歳を取ることを忌み嫌う人が多いのではないでしょうか。果たして、歳を取る事ってネガティブなことばかりでしょうか?
実は歳を取ることで、特に得られる心理的効果がいくつもあるのですが、その内の一つ時間の感じ方の変化による「今・ここに」を重視する姿勢を紹介します。
フランス人哲学者Paul Janetは、人間が主観的に感じる月日の長さは、若い時はより長く、歳を取ればとるほどより短く評価されるという、ジャネの法則を考案しました。
歳を取ると、(未来は長くないので)将来への過剰な不安が減少し、(残りの大事な一日一日)「今・ここにあるこの瞬間」を大切にするマインドフルな態度が強まります。毎日を丁寧に、マインドフルに生きていけば、たとえ数年でも、何十年にも匹敵するような価値ある時を過ごせるのではないでしょうか。
藤堂史恵 (とうどう ふみえ)プロフィール
Psychologue
パリ第13大学にてPsychologueの資格を取得
パリ第11大学にて マインドフルネスの資格を取得
藤堂史恵 Home Page
https://www.psytodofumie.com/home-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E