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農薬、気になりますか?/ 小椎尾 真衣(こじお まい)管理栄養士


*フランス在住で、「いきいき健康サロン」の講師もつとめられた(管理栄養士)小椎尾 真衣さんに日本人会サイトでのコラム連載をお願いしました。月一回更新の予定です。また、邦人健康サポートの会瓦版のVol.1 の内容とも連動しています。(日本人会広報)

<農薬、気になりますか? >

下の表は、アメリカのワーキンググループが2020年に行った、 残留農薬が多い/少ない野菜と果物の調査結果です。 あくまで「、アメリカ」の調査結果なので、フランスの農薬基準と 若干異なるかもしれませんし、基本的に現在認可されている農薬は 「一生涯摂取し続けても健康に悪影響がでないと推定される量」 です。
ただ、身体は日々の食べ物から作られますので、残留農薬は気になるけれど、全てをBIO(有機栽培)や無農薬の食品で揃えると、 食費が苦しくなる・という方は、是非こちらの表を日々の買い物に お役立てください。

<その価格には理由があります>

残留農薬が最も多いとされる、「いちご」ですが、育てたことが ある方は、無農薬かつ穴一つ空いていない完璧な状態のいちごを 店頭に並べることが、どんなに大変なことか、ご存知かもしれません。私が以前、家庭菜園でいちごを育てていた時は、花が咲き、青い実 を付け、熟していく過程を心待ちにしているあと一歩の段階で、何度も鳥に先を越され、啄ばまれてしまいました。 また、敵は鳥だけではありません。いちごの上に網を張れば、鳥からは守ることができますが、土の上では昆虫やナメ クジやカタツムリが虎視眈々とイチゴを狙っていて、雨でも降ろうものなら、あっという間に食べられてしまいます。 そう考えると、価格を抑えて大量栽培する農家は農薬を使わざるを得ないということや、無農薬のいちごが大変 高価な理由も、腑に落ちるのではないでしょうか。

<農薬、洗い流せる?!>

アメリカ・マサチューセッツ大学のLili He博士の研究にて、ほとんどの農薬はアルカリ性のpHにおいて安定しておらず、重曹(Bicarbonate de sodium)に漬け置いてからブラシなどで洗うと、野菜や果物などの表面について いる残留農薬であれば、最大96パーセントまで分解し、洗い流すことができるという結果が発表されています。 ただし、内部に浸透した農薬についてはこの洗浄だけでは除去できないこと、全ての農薬を除去できるわけではないこと、柔らかい皮の野菜や果物にはこの洗浄方法は適していないことを理解しておかなければなりません。

《洗浄方法》
① 1リットルの水に対し10gの重曹を入れて溶かす
(3Lお水に対し、スープスプーン2杯が目安)
② 野菜・果物を入れ15分間漬けておく
③ ブラシで擦りながら流水ですすぐ

参考論文:Effectiveness of Commercial and Homemade Washing Agents in Removing Pesticide Residues on and in Apples
☆上記コラムは邦人健康サポートの会瓦版のVol.1 に掲載された内容に加筆いただいたものです。

小椎尾 真衣(こじお まい): プロフィール
🇫🇷 Diététicienne-Nutritionniste 🇯🇵 管理栄養士
食いしん坊かつお酒も大好きで、2003年渡仏後(当初は長期休暇の予定・・・が)そのまま住み続けています。フランス、スイス各地で様々な職を経験するも、日本人と日本食の関係性と重要性を身を以って実感し、日本人の体でフランスの食生活にどのように適応していけるかを日々研究中。三児の母として食育にも力を注いでいます。栄養相談(Zoom可)・食育・料理レッスンなども随時受付中 📩  mai.restout@gmail.com

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