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【希望祭】『琵琶にまつわる話&琵琶演奏』/ 前川笙水

【希望祭2021】琵琶にまつわる話&琵琶演奏

コロナ禍にあり今年も従来規模の希望祭を開催することができなくなったことを受け、希望祭実行委員会は、10月10日(日)に錦心流薩摩琵琶の前川笙水(まえかわしょうすい)さんをお招きし大学都市の日本館のホールにて講演会と演奏会を開催いたしました。

今回、衛生管理上の制限があり、60名の方限定で参加を募集いたしましたが、定員を上回るご参加申込みがあり、お断りをせざるを得ない方がいらっしゃいましたこと深くお詫び申し上げます。

秋晴れの爽やかな午後に催された前川笙水さんの講演と演奏会は笙水さんの袴姿の艶やかな出で立ちで、会場がパッと明るくなり開始。
琵琶という楽器についての様々なエピソードや、演奏される楽曲の背景をユーモアたっぷりに大阪アクセントでお話される笙水さんの楽曲解説で会場はあっと言う間に琵琶のある世界線に引き込まれていきました。
丁寧な解説の後に演奏される幽玄な琵琶の音と美しく情緒あふれる語り。。。稀有な「薩摩琵琶の世界」を堪能することができたひとときでした。

加えて、笙水さんの選曲が、国歌「君が代」の歌詞の原型になったといわれる薩摩琵琶歌「蓬莱山古歌」、2020年に作曲された新しい曲 「肥後のアマビエ」、 平氏の若き武将の最後を描く「敦盛」、天狗から秘伝の兵法を授けられる牛若丸こと源義経のストーリー「鞍馬山」という誰もが興味と親しみが持てるラインナップだったことも琵琶への距離を縮める上で大きな役割を果たしてくれたという印象です。

会のプログラムや、当日配布された琵琶についての資料はこちらからご覧いただけます。



(希望祭に寄せて:前川笙水さんからのメッセージ)
薩摩琵琶で楽しむ秋の夜長。
ギター、バイオリン、全ての弦楽器の元になったと言われる古代ペルシアのバルバット。多くの楽器が派生したこの楽器の原型に大変近い形で残っているのが日本の琵琶です。盲僧琵琶や平家物語、はたまた果物の枇杷に琵琶湖。
日本人には馴染み深い・・と思われがちな琵琶という存在は、実は風前の灯の状態です。日本でさえ演奏家が減り、琵琶の演奏を聞くことは珍しいことになってしまいました。
私の演奏する薩摩琵琶は楽琵琶に次ぐ大きなサイズのもので、勇猛果敢な歌を得意としています。当日は薩摩琵琶らしい曲の他に、世界的に有名なあの曲のルーツとなった薩摩琵琶歌など、琵琶にまつわる楽しいお話と共に琵琶を見て、聴いていただければと思います。
妖しの者に好まれるなどとも評されるこの琵琶という楽器。
近くで聞くと第六感に響く特別な響きが聞こえるのかもしれません。

(プロフィル)
前川笙水(Maekawa Showsui まえかわしょうすい)
大阪府高槻市に生まれ、大阪・奈良で育つ。大阪四天王寺高校卒、同志社大学商学部卒(’98)。
3歳からクラシックピアノ、9歳からフルートを始める。
大学在学時からフルート演奏活動を始める。
奈良ビジターズビューローの奈良県学会誘致活動の一環として海外のゲストに向けた演奏活動する中、雅楽について興味を持ち春日大社(奈良市)の南都楽所(なんとがくそ)で龍笛の演奏を始める。
邦楽について学ぶうち、多くの弦楽器の原型となり、現在も古楽器の原型をそのまま保っている薩摩琵琶の音色や世界観に魅了され、2013年錦心流琵琶一水会中野淀水に弟子入り。
現在はフランスパリ在住、日本・フランス・ヨーロッパを中心に演奏活動を続けている。

錦心流薩摩琵琶 免許皆伝
錦心流琵琶全国一水会会員
如月一門会会員

 

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