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第七回「愛嬌というのはね、自分より強いものを倒す柔らかい武器だよ」藤堂史恵(Psychologue)

愛嬌というのはね、自分より強いものを倒す柔らかい武器だよ
作家 夏目漱石

* お笑いをこよなく愛する心理士が、このエッセイを通して、少しずつ皆様に、すでに医学的に証明されていて、沢山の情報が巷で紹介されている笑いの効果を、「笑い」を交えながらお伝えしようと思います。皆様自身が努めて笑い、そして周りの方とも一緒に笑い、皆で笑いの輪を広げて、少しでも充実したフランス生活ができるようお役にたてればと思っております。

ずいぶんと前の話ですが、娘が地元の公立幼稚園に入る前、園長先生と面接がありました。その面接で、園長から沢山の嫌味・否定的意見を言われ、一旦入園の書類にサインをしたもの、「この人は自分や、娘の事が嫌いなのだろう。そんな所に娘を預けるのはよくない。」と思い、翌日に転園の願いを出しましたが、却下されてしまいました。その時点で、近所の方や市役所の担当者、そして教育委員会に、園長との出来事を話すと、皆一様に園長の評判が良くないと教えてくれました。教育委員会の人からは、「あの園長と問題があるのは、あなただけではないので、安心してください。」とも言われました。
既に新学年が始まっており、このまま園長と膠着状態が続いて、娘が幼稚園に行けなくなってしまうのはよくないと思い、この幼稚園に預けることを決意し、通うことになりました。幸い娘は園長のクラスではないので、直接的な問題はありませんでしたが、いつも園の玄関の前に居る園長に挨拶しても、完全に無視される日々が始まりました。
もちろん、私もこの園長のことは好きではありませんでしたが、彼女と同じように「好きじゃない相手に対して無視をする」という態度を取り、自分自身の中で余計なマイナスなエネルギーを持ちたくないので、私は彼女から無視されても、常に笑顔で挨拶をしようと決めました。自分のためとは言え、最初は勇気が入りましたが、だんだん慣れてきて、自然に挨拶ができるようになり、最終的には、園長も私についつい挨拶するようにもなりました。
夏目漱石の言うように、笑顔とは、柔らかい武器なのだなと深く思います。
園長は半年後に親御さんへの差別発言により、親御さんから暴力受け、その方を相手取って(3回目の対親)裁判を起こし、年度末には、教育委員会への大きな失態を犯して、左遷されてしまいましたので、その後、皆が楽しく幼稚園に通えることとなりました。

La psy qui rit お勧めお笑い芸人・番組
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歌ネタの最高峰のコンビの内の一組です。八十島(やそじま)さんが歌いながら、会い方のツネさんがキレッキレのダンスをしてボケていきます。「右肘左肘交互に見て」や「このダンスをする」が代表作です。「キリン・スマッシュ」は私が一番好きな、シュール過ぎる、最高傑作です。八十島さんは、コロナ騒動の前から4年間ほど、精神疾患を患っており、そこから少しずつ復帰し始めています。その話しを、Youtubeで面白おかしく話してくださっています。

笑いの効果ミニ知識
ユーモアは、がん患者の健康と幸福にも影響を与える、効果的な方法であると言われています。笑い療法を通して、がん患者を対象にいくつかの研究が行われ、笑い療法が生活の質、回復力、免疫力、不安、抑うつ、ストレスに大きなプラスの効果があることがわかりました。

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藤堂史恵 (とうどう ふみえ)プロフィール
Psychologue
パリ第13大学にてPsychologueの資格を取得
パリ第11大学にて マインドフルネスの資格を取得

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