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鍼灸師のよもやま話(7)/ 岩本みずえ acupunctrice 鍼灸師

ニンニクについて多岐にわたって分析してみます。

漢方の生薬、薬用部位は鱗茎を大蒜(タイサン)といって、成分とされるアリインは酵素によって分解され、強臭のアリシンとなります。このアリシンが脾、胃、肺へ影響を及ぼし、疲労回復、強壮、風邪予防、健胃整腸、冷え性などに広く効果的であるとされています。

アリイン自体には抗菌、抗カビ作用、疲労回復、血栓予防などの効能がありますが、切ったり、潰す事でアリシンに変化します。
中国の民間食堂などでは、大蒜がゴロンとテーブルに置かれている事があり、そのまま皮だけを剥いて召し上がる方々を見かける事があります。漢方薬では腸内殺虫、殺菌、解毒薬として民間療法で使われてきましたが、最近ではあまり生のまま飲み込む様な事はそれほどないようにも思います。アリシンはビタミンB1と結合し、アリチアミンという持続性の高いものになりスタミナ回復に効果を発揮します。

ニンニクに含まれる機能性成分の一つでS-アリル-L-システイン。ニンニクにはごく微量しか含まれませんが、熟成や発酵によって増加するとされています。いわゆる黒ニンニクのように発酵させたものに含まれます。強力な抗酸化作用があり高血圧改善、動脈硬化予防、活性酸素と悪玉コレステロールの結合の防止、認知症への効果なども認められています。

最高気温記録更新中の日本での疲労、同じくとても暑かった南ヨーロッパ、気温が全く安定しなかったパリ等々で疲れたお身体を肌寒くなる前に、ニンニクを工夫して取り入れる事で、体力回復に役立ててください。

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プロフィール : 岩本みずえ acupunctrice 鍼灸師
UFPMC(Union Française des Professionnels de Médecine Traditionnelle Chinoise
フランス中医学連合会) 所属、国際中医医師鍼灸師免許所持、パリ13区にて開業中。

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