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会報 / 最新号コラムより

外出禁止期間中の川柳大会 『浦田賞』 (第一弾) 結果報告 / n°283

新型コロナウイルス(Covid-19)感染拡大阻止に向けて、フランス政府は2020年3月17日正午に外出禁止を発令しました。そしてほぼ8週間を経て、この会報が発行される5月11日に、ようやく、この外出禁止令が解けることになります。
3月17日に発表されたウイルスの感染者は7730名、前日より17%の増加、死亡者数は24時間で33%増加の175名。急坂を登るように数字は上昇していきました。
このような状況の中、前会長の浦田良一氏より、連日発信の『日本人会からのお知らせ』上で 川柳大会を開催してはどうかとの提案があり、『浦田賞』を設けることになりました。
その頃3月30日の感染者数は52000名、死亡者は3523名にのぼっていました。
4月1日『お知らせ』紙上で、題をコロナウイルスに関連したものとして、浦田賞川柳の募集を開始、締め切りを4月13日としました。
その13日に政府は外出禁止令を再び延長し、禁止令は5月11日までとなりました。
このような不安と隣り合わせの時期、外出禁止の前半に当たる時期に寄せられたのが川柳大会浦田賞第一弾です。選考対象は230句で、まず選者の浦田氏が10句の優秀句を選出。この選ばれた方々の互選で、最優秀賞の2句が選出されました。
なお、川柳大会第二弾の締め切りは5月11日です。次号で、第二弾の最優秀賞と合同授賞式の模様をお知らせする予定です。

最 優 秀 賞

イースター 感染怖く 天で待つ       キリスト

シャネルより 消毒液が 香る今        まりねっと

【講評】
コロナ騒ぎで閉塞状況が続く中で、なにか少しでも楽しいことで会員間の交流ができればいいなと思いながら、手軽な川柳で、今を詠んでみませんかとお誘いしました。
思いかけず、第一次募集には230句も寄せられました。
一人で20句以上も投稿してくださった方もおられました。予想を大きく超えて多くの方が、参加していただいたことに大変感謝しています。
私は、偉そうに講評をするような立場ではありませんが、趣味の一つとして、慣れ親しんでいたことでもあり、週刊文春の川柳欄「川柳のらりくらり」を愛読していることもあって、ちょっと真似事をしてみたのです。
選考に際しては、日本人会事務局の声も取り入れながら10句選び、この10句の投稿者に自作以外で一句選んでくださいと、全員参加型の選考方式をとりました。
発表する2句はこうして生まれました。
毎日のように事務局から寄せられる句には甲乙つけがたい面白いものがたくさんありました。10句を選ぶのは簡単ではありませんでした。
10句には選ばなかったけれど、「コメきれてパスタパスタであきマスタ」 という迷句がとても心に残っています。
この作者は今やいろんなパスタを研究されて相当腕を上げられたのだろうなと勝手に想像しています。
生活の一部を切り取って詠む面白さを引き続き楽しんでください。これらのまとまった句の数々は、この時を生きた生活記録でもあると思います。
参考までに。
週刊文春の4月23日号の題が 「ウイルス」 でした。
選者が選んだ特賞は 「コロナ危機そんな中でも若葉萌え」
いいですね。
浦田良一 (前日本人会会長)

優 秀 作
午後8時 窓開け拍手 安堵して 極楽とんぼと極楽ちょうちょ
寸評:看護に従事する人たちへのエールいいですね

訪問は 窓をはさんで 手を重ね   いつもは肩身の狭い主婦
寸評:親しき中にも礼儀あり、RDVの知人訪問

体温と ワインの味で 検査する      ペンネームなし
寸評:ビールではわかりませんかね

テレワーク 三食昼寝 お預けに        パリっ子
寸評:家で仕事するのですよ

コロナ来るな 貧しい国に 広がるな       コトリ
寸評:この期に及んでも優しい心

客一人 マイレストラン いつ終わる   未来さより
寸評:まだまだ続きそうですよ

パンデミー ロックダウンと 語彙は増え   せか愚図女
寸評:このあたりで出そろったでしょう

カタカナ語 脳も体操 コロナ禍で   その男ゾルバ
寸評:同上

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