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グローバル時代のコミュニケーション 〜国や文化を超えて真に信頼関係を作るコミュニケーション〜【第19回】/ n°284

みなさま大山です。
コロナその後いかがでしょうか?パリでも外出制限が解除され少しホッとされているかもしれませんね。日本も自主的な外出制限がなくなりましたが、東京では不気味に感染者が増え続けています。全世界が経済を重視しようと、感染拡大について少し緩んできているように思えます。今回はコロナ下で私達ができることはなにか?コミュニケーションの視点でお話したく思います。
わたしは、企業内の良好なコミュニケーションを行うためのトレーニングを行ってきました。コロナにより日本国内の組織コミュニケーションンについては、大きな変革を余儀なくされました。それは「テレワーク」の拡大です。遠隔地間の会議、例えばフランスと日本とか中国と日本といった場合、多くの企業ではTV会議はすでに行われていていました。ですので、わたしもさほど大きな変化とは思っていなかったのです。しかし、コロナのために外出が制限され、企業も在宅での仕事をできるだけ行うことになりました。この結果、普段いつもリアルに会って会議や指示を出していたマネージャー、リーダーは、一斉にテレワークを行う必要に迫られました。
この変化に、わたしのところにも多くのマネージャーが、テレワークは難しい、しっかり伝わっているか不安だ・・コミュニケーションが取れない・・等々、どうすればよいかと問い合わせがたくさん来ました。
さて、みなさんは、リアルの会議ができないからやむなくテレワークで対応しなければならないと思われるかもしれませんが、わたしは違います。コロナはしばらく続くと思われますし、今後働き方改革も含めできるだけリモート環境で仕事をすすめることが必要になってきます。
実は、リアルではできない、テレワークでしかできない、ならではの活用方法があるのです。例えば、ZOOMなどのTV会議では、画面に一人ひとりの顔を確認しながらすすめることができます。またひとりひとりの顔の画面上の面積は同じです。若手もベテランも対等な環境ができています。普段の会議で一人ひとりの表情をしっかり見ることはなかったのではないかと思います。ちょっとしたコツはあるのですが、普段の会議より参加者が集中し、若手からの意見も多く出てくるという現象が起こっています。
TV会議を行うには、しっかりとしたファシリテーション力が必要ですが、それができればリアルの会議より効果的な会議を行うことができます。
また会議で決まったことを実行してもらうための指示も、テレワークでは1対1になります。リアルの会社では、指示を出したり相談を受けたりする場合にも、2人きりになることはまれです。1対1のコミュニケーションということは、コーチングを行う環境がテレワークでは出来上がることになります。これまで会社内でのコーチングが難しい理由の一つに、社内で1対1の環境を作るには、別室に行くといったハードルのせいもあったのですが、テレワークではその環境ができあがっているということです。これもテレワークのメリットの一つといえます。上司も部下も多少緊張感があるかもしれませんが、しっかり意識的なコミュニケーションをとるには互いにとても良いと思います。聞きにくかったことを相談できたり、個人的な指導や、承認もできます。
これらファシリテーション力やコーチング力の前には、公開の場と、個室内の密室的な要素も注意しなければなりません。人間力が重要です。テレワークで直接対峙できないからこそ、普段以上の個人への気づきと、承認が必要なのです。
わたしは、これまでグローバル時代のコミュニケーションとして、推奨しているコーチアプローチファシリテーションについてお話してきました。以上の実例から、実はコロナの時代でもこのスキルは全くそのまま当てはまる重要なスキルであると思います。

コロナの時代、これまで以上の価値観、新しい価値観に対応できることが必要になると思います。人間の本質である価値観について理解し、よりそれぞれの価値観を認めながら協力し新しい価値観をともに作り解決していく。このことが重要なのではないかと思います。

次回からは、またコーチアプローチファシリテーションについてのお話を再開したいと思います。
(つづく)

大山裕之 コンティニュウ株式会社 代表取締役社長
社団法人コーチアプローチファシリテーター連盟 理事長
国際コーチ連盟認定プロフェッショナルコーチ

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