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外出禁止期間中の川柳大会 『浦田賞』 (第二弾) 結果報告 / n°284

4月1日に募集を開始して4月13日に締め切った第一弾に続く、5月11日を締め切りとした第二弾には、いっそう多くの投句をいただきました。外出禁止令の中の生活が川柳の中に込められています。

3月17日正午に施行の外出禁止の規制は、4月13日マクロン大統領によって4週間、5月11日までの外出禁止の延長が宣言されるに至っていました。
4月13日時点の病院でのコロナウイルスによる死亡者は24時間以内で335名。3月1日からは9588名を数えていました。

5月11日には外出禁止令が解除。しかし、公共交通機関利用の場合にはマスクの着用が義務とされ、100km以上の移動には証明書が必要でした。依然カフェ、レストランは休業状態、学校は閉鎖されたままでした。
この日の報道では、24時間以内の死亡者は263名。3月初旬以来26643名の死亡者を数えています。全く予断を許さない、不安を抱えたままの禁止令緩和でした。

川柳大会第二弾は、延長された外出禁止令下で、再び4週間の自宅待機、行動範囲の限られた日々の生活の中で寄せられたものです。締切日であった5月11日は、コロナウイルスに対する不安を抱えながらも、外出禁止令解除の日で、気持ちを切り替えていかなければならない日でありました。

第二弾の最優秀賞は、優秀作に選ばれた方々の互選方式を採用せず、選者の選考によるものです。

⭐️ 最 優 秀 賞

屁をひるも 漂う香りに 安堵かな   好春斎

三密を どこ吹く風と 雲群れり    せか愚図女

【講評】第二次締め切り時には前回の230句をはるかに上回る440句が寄せられました。われわれの意図した以上の反響に驚きながら大変喜んでいます。
こういう試みに対して、とてもいいアイデアです、楽しませていただいています、夜、ふと目を覚ましたときに一句うかぶことがあります・・・などというコメントもいくつかいただきました。望外の喜びでした。
ただ、今回の応募に際しては、日本でこの会のことを知り、フランス在住でないが応募された方が数名おられました。そのなかには、優秀作に選びそうになった作品もあったのですが、応募規定ーどなたでもご自由にーは、日本人会会員以外の方でもどうぞ という意味ではなかったので、お詫びのメールを送り、選考対象外とさせていただきました。
今後とも時宜に即した題で引き続きこの会を継続したいと思っていますが、この地での生活体験者の生活誌という視点をベースに徹していきたいと思っています。ご理解をいただき、今後ともよろしくご支援をお願いします。
選者 浦田良一(前日本人会会長)

✳️ 優 秀 作 

父娘 ずっと前から 2メートル          COLONEL
寸評:1メートルに縮めましょうよ

異国の地 コロナ蹴飛ばし 初夏を待つ       極楽とんぼ
寸評:先に楽しみを持つのはいい健康法です

禁足令 動いてないのに 筋肉痛          地球防衛軍
寸評:動かない方が余計に痛いもの

ブログを 見すぎて変わる 世界観        イガイガどん
寸評:氾濫する情報の見極めが大事になってきました

断捨離に 力を引き出す お父さん         プチムゲ
寸評:寸評 同じことを何度もでは疲れますね

ウイルスは 心に蔓延る 猜疑心        枕の掃除
寸評:疑うことが身につくのは悲しいですね

こんな時 いいこともあるよ 青い空         碩徳院
寸評:このあたりで出そろったでしょう

マスクせぬ 人をマスクが 監督す      やまちゃん
寸評:無言のにらみつけは怖~い

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