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ブルゴーニュでのスローライフを夢見て!! 〜第4章〜/ランドリー加藤由香/ n°301


本を読んだり音楽を聴いたり、メゾンで皆がくつろぐスペースは何と言ってもサロン。暖炉や19世紀のストーブがあり、収納棚だったスペースには大きな本棚を作ったので、ブッキングサロンも併設されています。先ずは“くつろぎ”をご提供できる様、こうしたメゾン内共有スペースはどなたにも団欒していただけるオープンスペース。お茶の時間やアペリティフ等をお出しするエリアでもあります。

そして春から夏、季節が清々しくなると同時に、メゾンの中ばかりか、カンパーニュならではのガーデンライフが展開します。家と同じくらい楽しめて、同じくらい手間暇がかかるジャルダン。都会育ちの私自身、実はガーデニングがこんなに大変だとは思ってもいませんでした。私達がここに住み始めるより何十年も前から植わっていた大木をはじめ、林檎の木、プラムの木、サクランボのなる桜の木、ミラベルの木、マルメロの木、食べられる実をつける木々が何本も植わっているのです。これは本当に宝、季節が巡ると知らないうちに美味しい実がなっているのですから !1年目、2年目は有頂天でしたが、全く手入れをしないと、正直な自然の摂理で、木々には虫がついたり、病気になったりすると言う事が判明。ネット検索を駆使したり、農家さんにアドヴァイスを仰いだり、手入れの方法を模索することもしばしばです。木々も可愛がって世話をしてあげないと元気が無くなるのですね。
大きなカゴいっぱいに採れたサクランボやプラムで作る自家製ジャム。朝食に欠かせないフルーツのジャムがこんな風に数種類、手作りで瓶に詰められ完成します。 完全な無農薬で自家製のものをゲストの朝食にお出しできるのはとても貴重、やはり皆さんとても喜んでくださいます。

そんな実感から、お料理用ハーブはもちろん、サラダにトマト、ヅッキーニやナス、じゃがいもなどを中心に自家菜園(ポタジェ)を徐々に拡大していきました。木々や花々のお手入れに加え、更に自然と向き合い、土を触り、この大地に生かされている感覚と共に実践する“スローライフ”です。近くのマルシェへ足を運ぶと、野菜の苗木を売る農家さんを必ず見かけます。庭のあるご家庭では、皆さんかなりのスペースで本格的に野菜づくりをしている方が多い様です。採れた野菜のなんと濃い味わい ! 太陽と土と水、自然肥料、それだけです。時には、カタツムリや虫達と分け合った感のある天然野菜。みんなが喜ぶ畑だからなんですね。それらを食べ続け数年、手先はボロボロ、腰はキツイのですが、体調はすこぶる良好な事を実感しています。Vive la campagne !


ランドリー加藤由香 プロフィール

大学卒業とともにモード界に就職。 HANAE MORI にて東京、NY、MONACO勤務を経た後、PARISオフィスに転勤。約12年間 勤めた後、CHANELの時計宝飾部門マーケティングを担当。結婚後はPRエージェントとして独立。時計とガストロノミーの分野に特化したPR活動を 続けるかたわら、夫と共にブルゴーニュでの「メゾンドットClos d’Agneux 1840」のプロジェクトを始め現在に至る。
Clos d’Agneux 1840
2, impasse d’Agneux 71150 RULLY
Tel. 06 48 59 97 67 contact@agneux1840.com www.agneux1840.com

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