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第5回「あなたは大丈夫?冬に欠乏しやすい栄養素」n° 293 / 小椎尾 真衣(こじお まい)


冬至を過ぎたとはいえまだまだ日が短いフランス、そのうえ、お日様がなかなか顔を出してくれず、どんよりとした気分に陥っていませんか。
下のグラフは、空模様が快晴、ほぼ晴れまたは一部曇り(空の雲に覆われている部分が60%未満)の割合(=晴天確率)を東京とパリで比較したものです。このグラフを見れば、冬期のパリの晴天確率が東京に比べて低いことがわかりますね。(1月の東京は72%、パリは29%)
私たちは普段、身体に必要な栄養素は経口摂取、つまり食べ物から取り入れていますが、ビタミンDに関しては、日光浴をすることで体内合成できるため、冬期においても日光浴をすることが非常に大切です。
ビタミンDは、骨を作るためのカルシウムの代謝調節に関与する(骨粗鬆症予防など)、とても大切な栄養素です。また、運動機能とも密接に関係し、高齢者の血中ビタミンD濃度が低下していると、バランスを崩し転倒しやすいという報告もあります。そして、免疫機能を高める働きがあり、免疫調節作用にも非常に大切な役割を果たしています。
成人の場合、フランスでは1日に15µg、日本では8.5µgの摂取が推奨されており、主な摂取方法は以下の二つです。
1.食品からの摂取
2.屋外での15分〜20分ほどの日光浴(UVB)(注:日焼け止めクリームやUVカット衣料はUVBを遮断します。)
ビタミンDを含む食品は、鱈レバー(Foie de Morue)、鯵や青魚、マスやウナギなど、キノコ類(干椎茸、ジロール、モリーユ、セップなど)、卵、豚肉などです。鱈レバーは10gで10µgと多く含まれますが、通常の食生活で毎日15µgを摂取することは、ビタミンD摂取に特化した食事を意識しない限り難しくなります。もう一つの日光浴について、日本の国立環境研究所の調査結果で大変興味深いものがあります。それは、ビタミンD5.5µg (1日の必要量の約1/3)を体内で合成するために必要な日照時間の比較で、7月の札幌では4.6分なのに対し、12月では76.4分も必要であるというデータです。単純には比較できませんが、札幌の緯度はフランスとほぼ同緯度と考えると、とても興味深い数値ですよね。晴れた夏場であれば、屋外に15分ほど出るだけで1日のビタミンD必要量を合成することができますが、冬場は晴天日が少ない上に照射力が弱いため、日光浴によるビタミンD合成が難しく、大半は食品からの摂取で1日の必要量を満たさねばなりません。
では、まず何をすれば良いのでしょうか。ビタミンDは、血液検査で血中濃度(25-OH totale D2+D3)を測定することができます。ビタミンDのみならず、血液検査で様々な数値を測ることは、健康を維持する上で大切な一歩です。血液検査をされる機会がある方は、ビタミンDの測定も併せて行い、現状を確認し、結果によっては医師や栄養士など、プロの判断を仰ぐことが大切です。
なお、特に乳児におけるビタミンD強化食品の安易な摂取は、ビタミンD過剰摂取のリスクを高めます。自己判断でこのような食品を日常的に摂取してしまわないよう、ご注意ください。
出典元:
ANSES:Vitamine D
https://www.anses.fr/fr/content/vitamine-d-pourquoi-et-comment-assurer-un-apport-suffisant
体内で必要とするビタミンDに要する日照時間:国立環境研究所(2013年)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2013/20130830/20130830.html
ビタミンDの転倒予防効果:宮腰尚久(2013年)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cra/25/3/25_203/_pdf/-char/ja

小椎尾 真衣(こじお まい)
Diététicienne-Nutritionniste /管理栄養士
インスタグラム
https://www.instagram.com/diet.japonaise/
(日々の食生活をゆるーり綴っています)

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