会報 / 最新号コラムより
グローバル時代のコミュニケーション 〜国や文化を超えて真に信頼関係を作るコミュニケーション〜【第21回】/ n°286
みなさまこんにちは。
コロナはなかなか落ち着きませんね、パリではまたロックダウンが始まったと聞きました。日本も冬に向かってじわじわとまた拡大傾向で不気味です。早く安心できる日が来ることを祈るばかりです。
このコラムでは、これまでの私の経験体験から、グローバル人材に必要な考え方やスキルのベースとなっているものについて、私なりの考え方をお話してまいりました。そしてその集大成であるコーチアプローチファシリテーションについて解説しています。
コーチアプローチファシリテーションは次の5段階のステップから成り立っています。
1. 人間の本質を知り、「人間力」を鍛える
2. コミュニケーションの基本「聴く」「承認」 を実践する
3. 相手の感情に寄り添い、個人の成長を支えるコーチング能力を鍛える
4. 「場」を創り、チームメンバーに相乗効果を発揮させるファシリテーション能力を鍛える
5. これらを効果的なスキルへと発展させ、実践する能力「コーチアプローチファシリテーション」を鍛える、です。
これまで継続的なコーチングフローについてお話させていただいています。今回は、継続的なコーチングをうまく行うためのコツについての第5弾のお話をしたいと思います。
継続的なコーチングを行う型であるコーチングフローとは繰り返しになりますが、
1 セットアップ
2 目標の明確化
3 現状の認識
4 GAPから課題の抽出
5 行動を決める
6 次回のアポイントを取る
でした。
少し復習しておきますと、とにかく一番重要なのは2の目標の明確化です。
これまでに数回この目標の明確化についてお話させていただきました。目標達成のための次の行動がイメージできれば、5の行動を決めるです。コーチは必ずクライアントにいつどのような行動を起こすのか、より具体的に話をしてもらうことをしてください。クライアントの実際の行動を決めるお手伝いをすることが、コーチの役目というお話をしました。
そして次のステップ、6の次回のアポイントを取るです。継続的なコーチングを行うには、行動が行われた直後に、やってみてどうだったかを話す時間を取り、つなげていきます。ここで大事なのはクライアントが約束したことをやってこなかった場合でも怒ったり、責めたりしないことです。自分で決めた約束が果たせなかったことに対して一番傷ついているのは、本人です。だからやっていなかったことに対して「なんでできなかったんだ、ダメじゃないか、自分の言ったこともできないの?」なんて言われると、以後コーチングのときに自分の行動について話すことに躊躇してしまいます。次回からのセッションが、コーチにならなくなってしまいます。ですから「あ、できなかったんだね、じゃあ次はどうする?」と次の行動も自分の意志で決めさせるのが一番です。
クライアントがやってきた場合も、やってうまくいきましたと報告があったら、「よかったね、すごいね、じゃあ次はどうする」、やってうまく行かなかったと報告があった場合は「うまく行かなかったんだ、でもやってみたことはすごいじゃない、そこから何が解った?じゃあ次はどうする?」つまりやらなくても、やってうまくいっても、いかなくてもどんな場合でも、次の行動も「どうしたら良いと思う?」で繋げていくのです。
これが継続的なコーチングです。失敗はありません。行動を起こせば、うまくいかないことが一つはっきりするのです。だから必ず少しずつ目標に近づいていくのです。コーチングは私の考えでは、承認の連鎖です。どうやったらできるかな?いいねそれ!ぜひやってみようよ。やってみた?うまく行ったすごいね!じゃあ次何をする?うまくいかなかった…、そうか今回はダメだったか…残念だったね。じゃあ次はどうやってみる?…きっと出来るよ…。コーチは必ずクライアントにいつどのような行動を起こすのか、より具体的に話をしてもらうことをしてください。クライアントの実際の行動を決めるお手伝いをすることが、コーチの役目なのです。このことにより自分に自信を持って部下は成長していくのです。次回からはCAFのもう一つの柱、ファシリテーションについて解説していきます。(つづく)
大山裕之 コンティニュウ株式会社 代表取締役社長
社団法人コーチアプローチファシリテーター連盟 理事長
国際コーチ連盟認定プロフェッショナルコーチ