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ブルゴーニュでのスローライフを夢見て!! 〜第3章〜/ランドリー加藤由香/ n°300


ブルゴーニュの四季。それは葡萄畑が一気に緑で覆われる春から、収穫を迎える晩夏、そして残されたブドウの葉が黄金色に変わり、辺り一面がゴールドを纏う、私が一番好きな秋へと移り変わります。メゾンでは、サロンやゲストルームからもこの景色(表題の背景写真の景色)が一望できる点が大きなポイント。その季節の移り変わりに合わせて、ドメーヌ訪問、ワインテイスティング等、この土地ならではの楽しみも待っています。特にワイン好きにはここは正しくパラダイス!
家の工事に疲れはて、合間の息抜きにはこうして村主催やドメーヌ主催のテイスティング イベントへ繰り出しました。もちろんお気に入りのワイン探しを兼ねて!そしてこれからお迎えするゲストの皆様へもご案内できるように地元ネットワーキングは欠かせません。地域の方々のお話を聞いて、今葡萄畑ではどんな作業が繰り広げられているのか、ブドウが育つ過程や、テロワール、太陽と雨、など自然界の中で作られていくワインについて色々と勉強できるのは何とも楽しい。そんな楽しみを求めてブルゴーニュへいらっしゃる方々へ、宿泊施設をご提供できるのは、またこの上ない喜びなのです。
さてそのゲストルーム。仕上がりはまずまずで1階の2部屋と2階のスイートルームがようやく完成。インテリア小物や備品などを揃えて、2019年夏より晴れてメゾンドット「Clos d’Agneux1840」(クロ・ダニュ1840)が誕生しました。アドレスがimpasse d’Agneux の2番地である事、家の区画が正に葡萄畑のごとく石垣(Clos)で囲まれている点、1840はキッチンの暖炉の大きな古い鉄板に1840と記されたものがあり、恐らく1840年にこの家が竣工していた事が伺えるのでこの年号を入れました。
とは言え、一応ゲストルームや共有スペース、玄関周りが何とか綺麗になったというだけで、まだ終わらないキッチンの仕上げ、カーブや洗濯室、物置内、そして庭まわりの大工仕事は時間を作って進めていかなくてはなりません。

「大きい家の修復って一生終わらないわよ〜!」などとフランス人マダム達にはよく言われましたが、やっとその意味がわかってきました。楽しみながら、工夫しながら、生活しながら手を入れていくものなんですね!と言う訳で、いわゆる新店舗オープンとしてジャジャジャ〜ん!と開店したのではなく、徐々にマイペースに開業と相成りました。ゲストのおもてなし、それは場数を踏むごとに主人との役割分担が明確になっていきました。少しずつリズムが出来てきたところで、あのコロナ禍が始まってしまいます。まだ記憶に新しい移動制限は国内も海外も厳しく、今まで考えた事もない世の中が到来しましたね。不安は募りましたが、それなら割り切って暫くはゆっくりこの家とこの自然の景色を楽しもう!コロナと睨めっこしながら、これこそスローライフだ!と開き直る私たちでした。。。(つづく)

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